チョーク病

チョーク病とは

チョーク病、またの名を「チョークびょう」と呼ばれるこの病気は、ハチノスカビ（Ascosphaera apis）によって引き起こされるミツバチの感染症です。この病は、日本では家畜伝染病予防法に基づき届け出る必要がある伝染病として指定されています。対象となる動物はミツバチであり、特に幼虫がこの病にかかりやすいです。感染した幼虫の特徴として、灰白色に変化したミイラ状の状態が挙げられます。

病原体の発生と今後の注意

チョーク病の原因となる病原体は、主に環境中に常在していますが、特に換気が悪い状況で発生しやすい性質を持っています。日本国内では、梅雨から初夏にかけて発生することが多いですが、湿度が高く風通しが悪い条件下では春から秋にかけて発生する場合もあります。これまでのデータに基づくと、日本での初めてのチョーク病の報告は1979年であり、その後、日本全国での発生事例は特に8月に北海道で多く確認されてきました。

感染のメカニズムと幼虫の変化

感染したミツバチの幼虫は、ハチノスカビに感染すると菌糸で覆われることになります。その結果、幼虫はチョーク病特有の、粉末状でチョークのような灰白色のミイラ状態に変わります。このような変化は、幼虫の成長を妨げ、最終的には致命的な結果を招くことが多いです。

予防策

チョーク病を予防するためにはいくつかの方法があります。最も効果的なのは、巣箱内の風通しを改善することです。良好な換気を保つことで、感染のリスクを大いに減少させることができます。また、エチレンオキシドガスによる燻蒸も有効な予防策です。さらに、熱湯や火炎消毒を行うことも効果があります。しかし、チョーク病の原因となる真菌は乾燥に対して強い耐性を持っているため、乾燥による消毒は効果が薄いとされています。

結論

チョーク病はミツバチにとって深刻な問題であり、特に湿度と換気に影響されます。早期の発見と適切な対策を講じることが、農業生産に与える影響を最小限に抑えるためにも重要です。今後とも、ミツバチの健康を守るための研究や対策が求められます。

もう一度検索