チリーフラミンゴ

チリーフラミンゴ（学名：Phoenicopterus chilensis）は、フラミンゴ目フラミンゴ科に分類される鳥類の一種です。種小名のchilensisは「チリの」を意味し、その名の通り、南米に広く分布しています。

分布

チリーフラミンゴは、アルゼンチン、ウルグアイ、チリ、ブラジル南部、ペルー南部、ボリビアといった南米の広範囲に生息しています。特に、高山地帯の湖沼や海岸地域で見られます。

形態

全長は約105cmで、全身は淡いピンク色の羽毛で覆われています。後肢は灰色がかった黄色をしており、踵の部分だけが赤色をしています。この特徴的な色彩は、他のフラミンゴ種との識別点となります。

生態

チリーフラミンゴは、高山帯の塩[[湖]]や海岸などの水辺に生息します。アンデス山脈の標高4500mに達する高地にも生息が確認されており、その適応能力の高さを示しています。数百羽から数千羽にも及ぶ大規模な群れを形成し、社会生活を営んでいます。

食性は雑食性で、水生昆虫、甲殻類、藻類、植物の種子など、幅広い食物を摂取します。特徴的なのは、泥ごと食物を口に含み、嘴と舌を使って食物のみを濾しとって食べるという食事方法です。この独特な摂食行動は、フラミンゴ類全体に見られる特徴です。

繁殖形態は卵生です。集団でコロニーを形成し繁殖しますが、他の種類の鳥と混合コロニーを作ることもあります。雌雄共同で、水辺に泥を積み上げて塚状の巣を作り、1回に1個の卵を産みます。抱卵期間は約30日で、抱卵も育雛も雌雄共同で行います。雛は約100日で飛べるようになります。この共同での子育ては、チリーフラミンゴの社会性を示す重要な側面です。

人間との関係

チリーフラミンゴは、その美しい姿から多くの人々に愛されています。しかし、生息地の環境破壊や変化によって、個体数が減少している地域もあります。そのため、保護活動が積極的に行われています。

参考文献

中村登流監修 『原色ワイド図鑑4 鳥』、学習研究社、1984年、128頁。
『小学館の図鑑NEO 鳥』、小学館、2002年、168頁。
『世界の動物｜分類と飼育 コウノトリ目+フラミンゴ目』、財団法人東京動物園協会、1985年、136頁。

外部リンク

CITES homepage
Appendices I, II and III
IUCN Red List - Home Page -
* BirdLife International 2008. Phoenicopterus chilensis. In: IUCN 2009. 2009 IUCN Red List of Threatened Species.

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