ボリビア多民族国概説
ボリビア多民族国(Estado Plurinacional de Bolivia)は、
南アメリカ大陸に位置し、立憲
共和制の国家です。公の
首都はスクレですが、実際には
ラパスが
政府機関の多くを抱えています。
ラパスは
標高約3600メートルに位置しており、世界的に見ても最も高い
首都として知られています。
1990年代以降は
内陸国となり、南西にチリ、北西に
ペルー、北東に
ブラジル、南には
パラグアイ、南東に
アルゼンチンと
国境を接しています。
地理と国土
面積は約110万
平方キロメートルで、日本の約3.3倍に相当し、
ラテンアメリカの中では6番目、世界的には27番目の広さを誇ります。かつては
太平洋にも面していましたが、
太平洋戦争でチリに
領土を奪われたため、現在は
内陸国として、主に
チチカカ湖や河川に面した地域で活動しています。ボリビアは、現在でも海軍を保持しており、海を取り戻すための提訴も行っています。
歴史的背景
ボリビアの地理的特徴は、その歴史と密接に関連しています。
先コロンブス期には多数の文化が栄え、特にティワナク文化が有名です。
1532年以降、
スペインによる植民地化が始まり、
ポトシ銀山が発見されるなど、資源の豊富さが歴史を形作りました。ボリビアは
1825年8月6日に独立し、当初はアルト・
ペルーと呼ばれていましたが、多くの政治的混乱を経て、最終的にボリビアと名付けられました。
ボリビア国内では、
スペイン語、ケチュア語、
アイマラ語、
グアラニー語が
公用語として認識されています。
人口は2021年の時点で約1000万人に達し、
先住民比率が高いのが特徴です。ケチュア人や
アイマラ人が多く、多様な文化が共存しています。特に、伝統的な服装を身に着けたチョリータと呼ばれる女性たちは、ボリビア文化の象徴です。
政治と経済
ボリビアの政治は非常に不安定で、
クーデターが頻繁に起こります。歴代の大統領は、様々な社会的、経済的問題に取り組んでいますが、贈収賄や政治的脆弱性が常に問題視されています。経済は鉱業に大きく依存しており、特に
リチウム、ガス、
石油が重要な産業です。ボリビアの経済は、近年急成長している多くの自然資源の影響を受けている一方で、貧困問題も依然として残っています。
教育と健康
教育制度は改善が進んでおり、識字率は94%に達していますが、地域によって差があります。保健医療サービスも向上しているものの、母子保健が依然として脆弱な課題として残っています。
文化
ボリビアは、伝統的音楽や芸術が豊富で、特に
フォルクローレ(民俗音楽)は非常に人気があります。また、
ウユニ塩原や
チチカカ湖などの観光名所もあり、
世界遺産としても知られています。食文化においては、
ジャガイモや
トウモロコシ、各種肉料理が主流で、特に
ビールが人気です。
ボリビア多民族国は、歴史的背景や文化的特異性があふれる国であり、その魅力は国内外から多くの注目を集めています。