チワワちゃん

岡崎京子短編集『チワワちゃん』

岡崎京子による短編集『チワワちゃん』は、1994年から1995年にかけて発表された短編5編と書き下ろし2編を収録した作品集です。本稿では、この短編集と、同タイトルで収録されている短編漫画、そして2019年に公開された実写映画版について解説します。

短編集『チワワちゃん』

収録作品

LOVE, PEACE & MIRACLE -紙の上のスライドショウ-
夏の思い出
チョコレートマーブルちゃん
GIRL OF THE YEAR
チワワちゃん
空を見上げる
好き？ 好き？ 大好き？

これらの短編は、1990年代の若者たちの日常や感情を切り取ったもので、岡崎京子独特のスタイリッシュな絵柄と、どこか退廃的な雰囲気が魅力です。特に、表題作である『チワワちゃん』は、その後の実写映画化によって、広く知られることとなりました。

書誌情報

短編集は、複数回にわたり版を重ねて出版されています。

1996年：角川書店（YOUNG ROSÉ COMICS DELUXE）ISBN 4-04-852687-1
2004年：角川書店（単行本コミックス）ISBN 4-04-853689-3
2018年：角川書店（あすかコミックDX）ISBN 9784041078488

2018年版では、表題作の『チワワちゃん』に加え、その他の収録作品もすべて読むことができます。

実写映画版『チワワちゃん』

2019年1月18日に公開された実写映画版は、二宮健が監督・脚本を務めました。岡崎京子の漫画を原作とした映画としては、『ヘルタースケルター』『リバーズ・エッジ』に続く3作目となります。R15+指定作品であり、原作の持つ退廃的な雰囲気を忠実に再現しています。

あらすじ（映画）

東京で日々パーティーに明け暮れる若者グループ。その中心にいたマスコット的存在の女性、通称「チワワちゃん」が、東京湾でバラバラ遺体となって発見されます。残された仲間たちは、彼女との思い出を語り始めますが、誰も彼女の本名も素性も知りませんでした。彼らが語るチワワちゃんの姿は、それぞれ異なっており、彼女の実像は謎に包まれたままです。

主要キャスト

ミキ / 加藤美樹：門脇麦（グループのファッションリーダー、主人公）
ヨシダ：成田凌（ミキの元カレ、チワワちゃんの彼氏）
カツオ / カツタマサノブ：寛一郎（ヨシダの親友、ムードメーカー）
ユミ / ヨシノマユミ：玉城ティナ（チワワちゃんと一番仲が良かった）
チワワちゃん / 千脇良子：吉田志織（キーパーソン、バラバラ殺人事件の被害者）
ナガイ / ナガイヨシユキ：村上虹郎（チワワちゃんに片思い）
キキ / キダキクコ：仲万美（ダンサー、ミキの友人）
サヤカ / ナダサヤカ：古川琴音（キキの友人）
アキラ：上遠野太洸（ユミの彼氏）
ハラダ / ハラダシンジ：篠原悠伸（パーティーでチワワと知り合う）
サヨコ / フクイサヨコ：松本妃代（ハラダの彼女）
クマ / ホンダユウキ：松本穂香（キキの弟子）
シマ / シマアキヒロ：成河（ミュージックバーのマスター、チワワの相談相手）
ユーコ / 鈴木裕子：栗山千明（ファッション誌ライター、事件の真相を追う）
サカタ / サカタジョー：浅野忠信（有名カメラマン、チワワの恋人）

スタッフ

原作：岡崎京子「チワワちゃん」（KADOKAWA刊）
監督・脚本・編集：二宮健
主題歌：Have a Nice Day!「僕らの時代」
挿入歌：Pale Waves「Television Romance」
製作：「チワワちゃん」製作委員会

映画の特徴

映画版では、原作の持つ独特な世界観を映像で表現することに成功しており、若者たちの刹那的な青春や、社会に対する不満、そして孤独感がリアルに描かれています。また、チワワちゃんという存在を通して、現代社会における人間のつながりの希薄さを問いかけているとも言えるでしょう。

関連情報

KADOKAWAによる漫画情報ページ
チワワちゃん （2004年）
チワワちゃん （2018年）
[映画]]『チワワちゃん』公式サイト：[https://chiwawa-movie.jp/
[映画]]『チワワちゃん』公式X（旧Twitter）：[@chiwawa_movie
[映画]]『チワワちゃん』公式Instagram：[@chiwawa_movie

短編集『チワワちゃん』は、岡崎京子の代表作の一つであり、その後の日本の漫画や映画に大きな影響を与えた作品です。まだ読んだことのない方は、ぜひ一度手に取ってみてください。

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