チームガイスト

チームガイスト（+Teamgeist™）

チームガイストは、アディダスが製造したサッカーボールで、2006 [[FIFAワールドカップ]]の公式試合球として採用されました。このボールは、ワールドカップの他にもアディダスが支援する多くのリーグやクラブでも利用されています。正式名称は「プラス チームガイスト」として知られ、ドイツ語の「ガイスト（geist）」は「精神」を意味し、英語の「spirit」に相当します。これにより、「teamgeist」は英語で「チームスピリット」と訳され、日本語でも広く認識される用語となっています。

このボールの初公開は、ライプツィヒで開催されたワールドカップの組み合わせ抽選会の際であり、世界中の注目を集めました。実際に、このボールには日本のモルテンが参画し、特別な技術が採用されており、製品はモルテンからアディダスへとOEM供給されています。また、アディダスがユニフォームを提供する国家（ドイツ、アルゼンチン、フランス、スペイン、日本、トリニダード・トバゴ）では、チームガイストのロゴがユニフォームの左袖にプリントされるなど、広く認知されています。

ボールの特長

これまでのサッカーボールは、五角形の革12枚と六角形の革20枚からなる切頂二十面体の形状が主流でしたが、チームガイストはその形状と構造を一新しました。主な特徴は次の通りです：

• - 外部パネル構造：プロペラ状のパネル6枚とローター状のパネル8枚の計14枚が設計されており、真球に近い形状を実現しています。
• - サーマルボンディング技術：パネル同士は特殊な接着剤と熱を用いて接着され、手縫いのボールに比べて表面が滑らかになっています。これにより、一貫した質が保たれ、選手が持つ技術を正確にボールに伝えることが可能です。

この革新的な設計は、選手にとっては正確なキックを実現する一方で、ゴールキーパーにとっては扱いが難しいボールとも言われます。さらに、デザインの磨耗が少なく、耐久性に優れていることも大きな特長です。伝統的な黒と白の配色は、ドイツ代表のチームカラーにぴったり合致しています。

2007年の改良版「チームガイストII」では、「PSCテクスチャー」という新しいマテリアルが採用され、水の層を削減し、摩擦やすべりを軽減することが実現されました。このボールは、北京オリンピックの公式試合球としても採用されています。

2006 [[FIFAワールドカップ]]での使用

チームガイストは、2006 [[FIFAワールドカップ]]本大会で使用された公式試合球であり、参加国32か国にはそれぞれ40個の練習用ボールが支給されました。試合ごとに9球が用意され、各試合のデータが記載されています。また、特に注目されるのは決勝戦で使用される「Teamgeist Berlin」であり、全体が金色のボールとなっています。

北京オリンピックでの使用

2008年の北京オリンピックで採用されたのは、改良型のチームガイストIIで、「マグヌス モエニア」という特別モデルです。ラテン語で「万里の長城」を意味するこのモデルは、赤を基調とし、中国の文字がデザインに組み込まれています。

ボールのテストに関わった選手・チーム

このボールの開発とテストには、ACミランや1.FCニュルンベルクの選手、さらにはデビッド・ベッカムやジネディーヌ・ジダン、中村俊輔などが関与しました。

チームガイストは、その革新的な設計と高性能により、サッカーの魅力を引き出し続けています。そのユニークな特性とプレイの質向上を通じて、サッカーの未来に寄与しているのです。

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