ツァイ

ツァイ（цай、ᠴᠠᠢ）、正式名称をスーテーツァイ（сүүтэй цай、ᠰᠦ᠋ ᠲᠡᠢ ᠴᠠᠢ）といい、モンゴルを代表する乳茶です。モンゴル料理において、なくてはならない日常的な飲み物として親しまれています。

ツァイの基本的な作り方は、まず黒茶の磚茶（たんちゃ、団茶）を削り、煮出して茶を作ります。そこに、牛乳やラクダの乳といった乳製品と塩を加えて、沸騰させないように注意しながら加熱します。加熱中は、ひしゃくで何度もすくい上げるように撹拌するのが特徴です。これにより、味が均一になり、まろやかな風味を引き出します。好みによって、バターを加えて風味を豊かにしたり（バター茶）、炒った粟を加えて香ばしさを加えたりすることもあります。

モンゴルでは、各家庭でツァイをポットに入れて常備する習慣があります。特に遊牧生活を送るモンゴル人にとって、ツァイは貴重なビタミンの補給源として、健康を支える重要な役割を果たしています。塩味のクリーミーな味わいが特徴で、地域や家庭によって風味や濃度が異なるため、それぞれの家庭の味を楽しむことができます。

また、ツァイは飲み物としてだけでなく、食事としても楽しまれます。炊いた白米や炒った粟をツァイに入れれば、ボダータイ・ツァイ（будаатай цай、ᠪᠣᠳᠠᠭᠠ ᠲᠠᠢ ᠴᠠᠢ）という食事になります。これは、遊牧生活の中で手軽に栄養を補給できる、非常に実用的な料理です。ツァイは、モンゴルの食文化において、なくてはならない存在と言えるでしょう。

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