ツイスト (ダンス)

ツイストとは

ツイストは、1960年代前半に世界的な流行を巻き起こした社交ダンスの一種です。その最大の特徴は、音楽に合わせて腰をひねる（twist）動きにあります。この独特なスタイルが、当時の若者たちの心を捉え、爆発的な人気を博しました。

しかし、従来の社交ダンスを重視していた世代からは、ツイストは「型がない」「踊りとは言い難い」と批判されることもありました。このダンスは、伝統的な社交ダンスとは異なり、ペアで手を取り合ったり、肩を触れ合わせることはありません。各々が独立して自由に動き、腰、肩、膝をひねる動作が基本となります。

ツイストの踊り方

ツイストは、ペアで踊るダンスですが、ジルバのように手をつなぐことはありません。二人は向き合いますが、肩が触れ合わない程度に距離を保ちます。足は軸として回転させるだけで、大きく動かすことはありません。その代わりに、肩、腰、膝をリズミカルに捻ることで、ツイスト独特の動きを作り出します。

ツイストの起源

「ツイスト」という言葉がダンスに使われたのは19世紀にまで遡ります。腰をひねる動きは、コンゴからアメリカへ連れてこられた奴隷たちが伝えたとされています。当時、黒人音楽の中で、バンジョー奏者のジョエル・ウォーカー・スウィーニーが「ヴァイン・ツイスト」という曲を作ったことも記録されています。

ツイストの流行

ツイストが最初に注目を集めたのは、1959年初頭にハンク・バラードとミッドナイターズが発表した「ザ・ツイスト」でした。この曲は当初、シングルのB面に収録されていたに過ぎませんでしたが、フロリダ州タンパで若者たちがツイストを踊る様子を見たディック・クラークが、チャビー・チェッカーにカバーさせたところ、1960年にはBillboard Hot 100で1位を獲得する大ヒットとなりました。

この大ヒットをきっかけに、ツイストは世界中で大流行し、数多くのツイストソングが生まれました。その後も様々なダンスが流行しましたが、ツイストの人気を超えるものはありませんでした。

ロカビリーとの関係

ツイストはロカビリースタイルと誤解されることもありますが、両者に直接的な関係はありません。ロカビリーは、1950年代に流行した音楽スタイルであり、バップやジルバといったダンススタイルを踊る際に用いられるものでした。ツイストは、それよりも後の時代に登場したダンススタイルです。

まとめ

ツイストは、1960年代に世界を席巻したダンスであり、その独特のスタイルは、当時の若者たちに大きな影響を与えました。現在では、当時の熱狂を知る人は少なくなりましたが、ツイストは今もなお、ダンス史における重要なムーブメントとして記憶されています。

関連情報

ジルバ
ツイスト (ドキュメンタリー映画))
History of the Twist Dance, by Tamara Warta
上陸したツイスト旋風（昭和37年2月26日公開） - 中日ニュース422号（動画）・中日映画社

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