ツインファミコン

ツインファミコンについて

概要

ツインファミコンは、1986年7月1日にシャープ株式会社によって発売されたファミリーコンピュータ互換機です。任天堂がリリースしたオリジナルファミリーコンピュータとディスクシステムの機能を融合させ、ロムカセットとディスクカードの両方のゲームをプレイ可能なハードウェアとして登場しました。発売時の価格は32,000円で、これはファミリーコンピュータ（14,800円）とディスクシステム（15,000円）の合計よりも高額でした。

ハードウェアの特徴

ツインファミコンは、ロムカセットを挿入するスロットの近くに切替スイッチを備えています。このスイッチにより、ゲームのタイプを選ぶことができます。「カセット」と「ディスク」の切替により、それぞれの形式のゲームをプレイ可能ですが、注意点として、本体の電源を一度切ってから切替を行う必要があります。この手順を守らないと、機器の故障やセーブデータの消失の危険があります。

映像出力については、任天堂のファミリーコンピュータがRF出力のみであるのに対し、ツインファミコンはRFコンバータ拡張端子とAV出力端子も装備しています。AV出力は汎用の接続端子（RCAピンジャック）が使用できるため、専用ケーブルが必要なく市販のものを利用することができます。また、電源供給のためのACアダプタは、他のファミコン機器と異なる専用のもので、仕様はDC7.6V 1.25Aです。

ツインファミコンの拡張ポートについては、ファミリーコンピュータのエキスパンドコネクタが拡張端子Aに、ディスクシステムのRAMアダプタと同等の拡張端子Bが存在します。底面には拡張端子CとDがあり、これらは初めから接続されていますが、使用は想定されていません。

前期型と後期型の違い

ツインファミコンは、製造時期により前期型と後期型に分けられます。前期型では本体のデザインがシンプルでしたが、後期型では電源スイッチ部に電源ランプが追加されたり、コントローラに連射機能が搭載されたりするなどの変更がありました。また、本体色は赤と黒の2種類があり、ディスク使用時の起動画面においては最初期の製品ではオリジナルのディスクシステムと同じBIOSが採用され、その後はこれを基にした「FAMICOM」表示のオリジナルBIOSが使用されていました。

特に、1988年以降に出荷された後期型には、当年追加されたファミリーコンピュータの「FF」マークが刻印されており、ノイズフィルターなどの改良も施されていました。

仕様

ツインファミコンの仕様は以下の通りです：

• - 映像出力: AV出力
• - 音声出力: AVモノラル
• - 使用電源: 専用ACアダプタ
• - 電源定格: 7W
• - 本体重量: 約1.5kg
• - 本体寸法: 275mm(W) × 255mm(D) × 94.5mm(H)

拡張ポート

• - A端子: ファミリーコンピュータ前面のエキスパンダ端子に相当
• - B端子: ディスクシステムのRAMアダプター端子に相当
• - C端子: ディスクシステムのRAMアダプター端子に相当するが18PINの別規格端子
• - D端子: ディスクシステムのRAMアダプター端子に相当するが12PINの別規格端子

バリエーション

前期型（AN-500B・R、定価3万2000円）と後期型（AN-505B・R、価格変更なし）、RFコンバータ（AN-58C、X1シリーズでも使用可能）、そしてツインファミコン立体システム（VO-U42S）が存在します。これにより、ユーザーは多様な選択肢の中から自分に合ったモデルを選ぶことができます。

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