ツェルバ

ツェルバ

ツェルバ（伊: Zerba）は、イタリア共和国北部、エミリア＝ロマーニャ州の最西端に位置するピアチェンツァ県に属するコムーネ（基礎自治体）の一つです。人口は少なく、2023年現在ではおよそ70人程度が暮らす、山間部の小さな集落です。その名はイタリア語で「草地」や「牧草地」を意味する言葉に由来するとも言われ、自然豊かな環境にあることを示唆しています。

地理

ツェルバの集落は、ピアチェンツァ県の南西部の山岳地帯に点在しており、地方道であるSP18号線が地域を結んでいます。地形的には起伏に富んでおり、標高はおおむね770メートルから900メートルの範囲に広がっています。地域の東側にはトレッビア川が流れ、南西側にはボレカ川（Torrente Boreca）が流れるなど、清流に恵まれた環境です。特に、北西方向に直線距離で約2.5キロメートル離れた場所には、標高1,724メートルを誇るレジマ山（Monte Lesima）がそびえ立っています。この山は周辺地域のランドマークの一つであり、夏季にはハイキングや登山などを楽しむ人々が多く訪れ、ツェルバもそのアクセス拠点の一つとなります。

隣接する自治体

ツェルバは、地理的に複数の県境に近い位置にあるため、エミリア＝ロマーニャ州だけでなく、ロンバルディア州のパヴィーア県（PV）やピエモンテ州のアレッサンドリア県（AL）に属するコムーネとも接しています。隣接する主な自治体は以下の通りです。

ブラッロ・ディ・プレゴーラ (Brallo di Pregola) (PV)
カベッラ・リーグレ (Cabella Ligure) (AL)
チェリニャーレ (Cerignale)
ファッブリカ・クローネ (Fabbrica Curone) (AL)
オットーネ (Ottone)
サンタ・マルゲリータ・ディ・スタッフォラ (Santa Margherita di Staffora) (PV)

気候および地震リスク

イタリアの気候分類（Classificazione climatica dei comuni italiani）によれば、ツェルバは「zona F」に分類され、年間暖房度日（Gradi Giorno, GG）は3449とされています。これは比較的寒冷な地域に該当し、冬季には暖房の使用が不可欠であることを示しています。また、イタリアの地震リスク階級（Classificazione sismica）においては、「zona 3 (sismicità bassa)」に分類されており、地震活動のリスクは比較的低い地域とされています。

分離集落

ツェルバのコムーネ内には、行政上の区画としていくつかの分離集落（フラツィオーネ、Frazione）が存在します。これらの小さな集落が点在することで、コムーネ全体のエリアを構成しています。主な分離集落としては、以下の名称が挙げられます。

カパンネッテ・ディ・ペイ (Capannette di Pej)
コンカ・ドーロ (Conca d'Oro)
チェッレート (Cerreto)
ペイ (Pej)
カーザ・デッラ・トッレ (Casa della Torre)
コデヴィリオ (Codeviglio)
サンボネート (Samboneto)
ヴェジモ (Vesimo)

人口動態

近年のツェルバの人口は、他の多くの山間部の小規模自治体と同様に、減少傾向が続いています。2023年時点での人口は約70人となっており、かつてと比較すると大幅に減少している状況です。高齢化が進み、若年層の流出がこの地域の大きな課題となっています。

ツェルバは、大都市から離れた静寂な環境と豊かな自然が魅力の場所です。歴史的な背景は特筆されるものが少ないものの、イタリアの農村風景や山村の暮らしを垣間見ることができる地域と言えるでしょう。

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