ツォルキン

ツォルキン：マヤの神聖暦

ツォルキンは、古代マヤ文明で使用されていた260日周期の暦で、「日の勘定」を意味するユカテコ語に由来します。この暦は、日常生活や宗教儀式、日々の占いなど、メソアメリカの先コロンブス期において非常に重要な役割を果たしていました。アステカ文明では「トナルポワリ」と呼ばれ、現代でも一部の部族が使用しています。

暦の起源と構造

なぜ260日という周期が用いられたのかについては、諸説あります。一つは、マヤの宇宙観において、天上が13層に分かれており、人間の手足の指の合計が20であるという考えに基づいているという説です。また、マヤ文明で用いられていた二十進法が関係しているという説もあります。

考古学的な証拠として、メキシコのオアハカ州にあるサン・ホセ・モゴテ遺跡の石碑（紀元前600年頃）には、260日暦に由来する「1の地震」という名前が刻まれています。また、マヤ地域では、サン・バルトロ遺跡の壁画（紀元前3世紀頃）に、「7の鹿」（現在の慣用では「7マニク」）と読める箇所が発見されています。

「ツォルキン」という名前や、20の日の名前は、植民地時代のユカテコ語が慣用的に使われています。他の地域では異なる名前で呼ばれており、例えば、キチェ語ではツォルキンを「チョルキフ」と呼び、各日の名前も異なっていました。

ツォルキンの構成要素

ツォルキンは、1から13までの数字（係数）と、20の「日」が組み合わさって構成されています。20の「日」は、イミシュ、イック、アクバル、カン、チクチャン、キミ、マニク、ラマット、ムルク、オク、チュエン、エブ、ベン、イシュ、メン、キブ、カバン、エツナブ、カワク、アハウという順で並び、1イミシュから始まり、2イック、3アクバルと続き、13アハウの次は1イミシュに戻ります。この組み合わせは、260パターンで一巡します。

ハアブとの組み合わせ

ツォルキンは、365日周期のハアブ暦と組み合わせて使われていました。この二つの暦が同時に同じ組み合わせになるのは、約52年ごとのため、この周期をカレンダー・ラウンドと呼んでいました。

ツォルキンは、マヤ文明の宗教観や宇宙観を反映した重要な暦であり、その複雑な構造は、マヤの人々の高度な数学的知識と天文学的知識を物語っています。

参考文献

ケネス・ジョンソン 『ジャガーの智恵 - マヤ・カレンダー「神聖暦」で占う（シリーズ先住民の叡知）』中央アート出版社

外部リンク

暦Wiki マヤ[[暦]]
暦計算室
国立天文台

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