ツォルンドルフの戦い

ツォルンドルフの戦い

ツォルンドルフの戦い（ドイツ語: Schlacht bei Zorndorf）は、七年戦争中に起きた重要な戦闘であり、1758年8月25日に行われました。この戦闘は、プロイセン王フリードリヒ大王率いる軍とロシア帝国軍との間で戦われ、歴史的な意義を持っています。

経緯

プロイセン軍はロイテンの戦いで勝利を収め、そのまま南下しオルミュッツを包囲しました。しかし、ドームシュタットルでの戦闘で補給部隊が壊滅的な結果を被ると、フリードリヒ大王は新たな脅威を感じ始めました。ロシア帝国軍がベルリンに迫っており、その軍勢はフェルマーによって指揮され、約43,000名の兵士を擁していました。彼らはベルリンまでわずか100kmの地点におり、オーストリア軍と合流しつつある可能性もありました。

フリードリヒは急いでプロイセン軍を北上させ、ロシア軍の後方へと到達しました。両軍はキュストリンから北東に位置するツォルンドルフで対峙し、戦いが繰り広げられることとなりました。

戦闘の展開

8月25日、プロイセン軍の歩兵はロシア軍の若い徴集兵で構成された監視部隊を襲撃しました。プロイセンの砲撃はロシア軍に大きな打撃を与えましたが、撃たれた砂塵が飛び散って視界が悪化し、歩兵隊は誤った位置の敵と遭遇してしまいます。これにより、ロシア軍の反撃が始まり、混乱の中、プロイセン軍の兵士たちは森の中に逃げ込みました。

ロシア軍の歩兵と騎兵はこれを追撃しましたが、ザイトリッツの名高いプロイセン騎兵隊がロシア軍の戦列を側面から攻撃し、逆にロシア軍は押し返されました。その後の戦闘は弾薬切れを迎え、双方が視界の悪化の中で白兵戦に突入。ロシアの部隊の中には、ワイン樽の補給を確保するため泥酔するまで飲み続ける者もいました。

プロイセン軍が疲労感を見せている中、フリードリヒ王自らが先頭に立って攻撃を仕掛けました。この戦闘は18世紀におけるもっとも残酷な戦闘の一つとなり、あるプロイセン軍の士官は「ロシア軍の遺体が戦場で山のように積み重なっていた」と記録しています。フリードリヒもまた、「ロシア人を殺すのは味方に引き入れるより簡単だ」と言い残しました。

戦闘の結果

凄惨な戦いは日が暮れるまで続き、ロシア軍の損害は約80%に達しました。全体の損失は、プロイセン軍が約12,800名（全体の32%）、ロシア軍が約18,000名（全体の40%）を失い、甚大なものでした。決定的な勝敗はつかず、数日間にわたり砲撃戦が続けられました。最終的に、フェルマーは重傷を負い、自軍の損失を考慮して先に退却を決断します。この退却がロシア軍とオーストリア軍の合流を阻み、後の歴史に影響を与えることとなります。

フリードリヒは、ロスバッハの戦いとロイテンの戦いに続くこの戦闘の結果によって、その評価をさらに高めることとなりました。

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