ツカマリ古墳

ツカマリ古墳について

ツカマリ古墳（つかまりこふん）、または塚廻古墳は、大阪府の南河内郡河南町平石に位置する古墳であり、方墳の形状を持っています。この古墳は平石古墳群の一部として存在し、地域の重要な文化遺産として知られていますが、まだ史跡としての指定はなされています。

概要

ツカマリ古墳は、大阪府の南東部、金剛山地の西麓に築かれた大型古墳で、周辺には同じく大型のシシヨツカ古墳やアカハゲ古墳などが存在します。1979年には石室の内部調査が行われ、さらに2004年度には墳丘の発掘調査も実施されました。

この古墳の形は方形で、墳丘の大きさは東西およそ80メートルです。3段からなる墳丘は、表面に貼石が施され、周囲には浅い周溝が設けられています。埋葬に使われた施設は横口式石槨（石棺式石室）で、南向きに開口しており、その全長は約13.5メートルに及びます。この石槨は奥室、前室、羨道からなる大型の複室構造から成り立ち、その内部からは貴重な出土品が発見されています。

埋葬施設の詳細

ツカマリ古墳の埋葬施設は、奥室、前室、羨道からなる複室構造を持つ横口式石槨です。石槨の規模は次の通りです：

• - 石槨全長: 13.5メートル
• - 奥室: 長さ2.4メートル、幅1.32メートル、高さ1.32メートル
• - 前室: 長さ約4.7メートル、幅1.6-1.85メートル、高さ約1.6メートル
• - 羨道: 長さ5.29メートル、幅1.82-2.75メートル、高さ1.7メートル

奥室と前室は花崗岩の切石で、羨道では自然石が使用されています。石槨内部は緑釉陶棺台の上に漆塗籠棺が据えられた可能性が高いと考えられており、そのための陶器片や漆塗られた棺の破片が出土されています。

出土品

ツカマリ古墳の石槨内部からは、貴重な副葬品が発見されています。以下に代表的なものを挙げます：

• - 金象嵌鉄刀
• - 七宝銀製飾金具
• - 螺旋状金線
• - 金糸
• - ガラス製扁平管玉
• - ガラス製丸玉
• - 夾紵容器

これらの出土品は、当時の技術力や、古墳の築造者が持つ権力の象徴とされています。

築造時期と歴史的背景

ツカマリ古墳の築造は、古墳時代の終末期、具体的には7世紀中葉頃と考えられています。この時期に築かれたシシヨツカ古墳・アカハゲ古墳と並び、当時の有力者の墓として特に注目されています。複数の古墳が同じ時期に存在し、それぞれが相互に影響を及ぼした可能性が高く、地域の埋葬習慣や社会構造を知る上で重要な手がかりとなっています。

研究と調査

ツカマリ古墳に関する研究は、1979年の石室内部調査を皮切りに進められており、その全貌の把握に向けての努力が続けられています。2004年度の発掘調査では、大阪府教育委員会によって行われ、2006年には調査報告書が発表されています。これにより、古墳の構造や出土品に関する理解がさらに深まりました。

まとめ

ツカマリ古墳は、大阪府における重要な歴史的遺産であり、その研究は地域の古墳文化や古代社会の理解を深める手助けとなります。埋葬施設や出土品からは、当時の文化や社会状況を知る貴重な情報が得られており、今後の考古学的調査による新たな発見が期待されています。

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