ツクバネソウ

ツクバネソウ（衝羽根草）

ツクバネソウ（学名：Paris tetraphylla）は、シュロソウ科ツクバネソウ属に分類される多年草です。別名としてヌハリグサとも呼ばれています。名前の由来は、秋に実る果実の形が羽根つきの羽根に似ていることに由来します。

特徴

ツクバネソウは、以下の特徴を持ちます。

根茎: 細い根茎を持っています。
茎: 高さは15cmから40cm程度に成長します。
葉: 4枚の葉が茎の同じ場所から輪生状に生えます。葉身は長楕円形で、長さは4cmから10cm程度、先端は尖っています。葉柄はなく、葉の縁は滑らかです。
花期: 5月から8月にかけて、茎の先端に淡い黄緑色の花を1つ上向きに咲かせます。
花柄: 花柄の長さは3cmから10cmです。
外花被片: 披針形で、長さは10mmから20mm、緑色の萼状をしています。
内花被片: ありません。
雄蕊: 8本あり、花糸が長く、葯は線形で長さ3mmから4mmです。同属のクルマバツクバネソウとは異なり、葯隔は葯から突出していません。
花柱: 4つに分かれています。
果実: 液果で、秋になると直径1cmほどの黒紫色の実が熟します。この実の形が羽根つきの羽根に似ています。

分布と生育環境

ツクバネソウは、北海道、本州、四国、九州に分布しており、山地の林内や林縁などのやや湿った場所に生育します。

下位分類

ツクバネソウには、いくつかの下位分類が知られています。

アイダツクバネソウ (Paris tetraphylla f. corollata)
ウナズキツクバネソウ (Paris tetraphylla f. penduliflora)
ヨコグラツクバネソウ (Paris tetraphylla f. sessiliflora)
ホソバツクバネソウ (Paris tetraphylla var. angustifolia)

近縁種

ツクバネソウの近縁種としては、以下のものがあります。

クルマバツクバネソウ（Paris verticillata）：葉が輪生状につく点がツクバネソウと似ていますが、より多くの葉をつけます。
キヌガサソウ（Paris japonica）：白く大きな花を咲かせ、その姿が衣笠（きぬがさ）に見えることが名前の由来です。

参考文献

佐竹義輔・大井次三郎・北村四郎他編『日本の野生植物 草本I単子葉類』、1982年、平凡社
林弥栄『日本の野草』山と溪谷社〈山溪カラー名鑑〉、2009年10月。ISBN 9784635090421。

外部リンク

米倉浩司・梶田忠 (2003-)「BG Plants 和名−学名インデックス」（YList）
ツクバネソウの標本（神奈川県箱根山で1959年6月3日に採集） （千葉大学附属図書館）
日本のレッドデータ検索システム「ツクバネソウ」
Paris tetraphylla A.Gray （The Plant List）

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