ツッパリやすしの60分

『ツッパリやすしの60分』：視聴者参加型ゲームバラエティ番組の全貌

1981年4月16日から9月24日にかけて、東京12チャンネル（現・テレビ東京）で放送された『ツッパリやすしの60分』は、当時としては斬新な視聴者参加型のゲームバラエティ番組でした。毎週木曜日の夜8時から8時54分までの1時間、横山やすしさんと高見知佳さんが軽妙なトークで番組を進行しました。

番組の舞台は公開収録スタジオ。5人の一般女性と10人の一般男性（うち1人は当時“アパッチけん”として活躍していた中本賢さん）が、賞金を懸けて白熱のゲームに挑みました。

番組は全部で6つのゲームで構成されていました。最初のゲームは女性が単独で参加する週替わりゲームで、成績上位5名にポイントが与えられ、その順位に応じて男性陣からパートナーを選びました。続く第2、3、5ゲームも週替わりのペアゲームで、同様にポイントを獲得していきました。

特筆すべきは、第3ゲームと第4ゲームの間に設けられた「交換タイム」です。パートナーに不満を持った女性は、残りの男性陣の中からパートナーを変更することができたのです。このシステムは、番組に緊張感と駆け引きをもたらす要素となりました。

第4ゲームは、当時としてはかなり衝撃的な「尻文字ゲーム」でした。女性が尻で書いた3文字を男性が当てるというユニークなゲームで、正解数に応じてポイントを獲得できました。ゲーム終了後には出演者と観客全員で「や」「す」「し」と書くという、やすしさんらしい演出も見られました。

最終ゲームは、高台から降りてきた男性が女性の投げたボールをキャッチするアクロバティックなゲームでした。成功すると5点が加算され、3回全て成功すれば15点という高得点で、逆転のチャンスも十分にありました。

最終的に最も多くのポイントを獲得したペアが優勝となり、ハワイ旅行や国内温泉旅行といった豪華賞品が贈呈されました。女性挑戦者には獲得ポイントに応じて賞金も贈られました。

番組を彩ったのは、司会を務めた横山やすしさんと高見知佳さんの絶妙なコンビネーションでした。やすしさんの軽妙なトークと、高見さんの落ち着いた進行が見事に調和し、番組全体を盛り上げていました。また、中本賢さんは多くの女性から人気を集め、多くのペアを結成したことも話題となりました。

『ツッパリやすしの60分』は、視聴者参加型ゲーム番組の先駆けとして、当時多くの視聴者を魅了した番組でした。独特のゲーム性と、やすしさんらしい賑やかで自由な雰囲気は、現代においても新鮮に映るのではないでしょうか。 番組で培われたやすしさんと高見さんのコンビは、後に日本テレビ系列で放送された『おてんば宇宙人』でも見ることができ、番組の成功が二人の今後の活躍にも繋がったと言えるでしょう。 視聴者参加型番組の黎明期を彩る、貴重な番組の一つとして、今なお語り継がれるべき番組です。

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