ツリー・オブ・ライフ (映画)

『ツリー・オブ・ライフ』について

『ツリー・オブ・ライフ』（原題: The Tree of Life）は、2011年に公開されたテレンス・マリック監督の映画です。この作品は、家族の絆や宇宙の起源、そして人間の存在意義を問いかける深遠なテーマを扱っています。

ストーリー

物語は、1950年代のテキサスを舞台に、オブライエン家の家庭を中心に展開されます。父オブライエンは、厳格で伝統的な価値観を持ち、子供たちに対して厳しい教育を施しています。母オブライエンは、優しさと慈しみをもって子供たちを見守る存在です。長男のジャックは、父の期待と母の愛の間で揺れ動きます。彼は、兄弟たちや家族との関係を通じて、次第に自らのアイデンティティを模索していきます。

キャスト

• - オブライエン（父） - ブラッド・ピット（日本語吹き替え：堀内賢雄）
• - オブライエン夫人（母） - ジェシカ・チャステイン（日本語吹き替え：八十川真由野）
• - ジャック（長男） - ハンター・マクラケン（日本語吹き替え：安蒜太人）
• - R.L.（次男） - ララミー・エップラー（日本語吹き替え：吉永拓斗）
• - スティーヴ（三男） - タイ・シェリダン（日本語吹き替え：大根田岳）
• - 祖母 - フィオナ・ショウ（日本語吹き替え：竹口安芸子）
• - 後年のジャック - ショーン・ペン（日本語吹き替え：山路和弘）

制作の背景

『ツリー・オブ・ライフ』は、映画『チェ』の制作段階で、テレンス・マリックとビル・ポーラッドが協力して企画を立ち上げました。ポーラッドは最初、そのアイデアが突飛すぎると感じていましたが、企画が進むにつれ、話のコンセプトが明確になり、期待感が高まりました。2005年に製作発表が行われ、インドのパーセプト・ピクチャーズから資金援助を受けることが決まります。その後、撮影のためのプリプロダクションが始まり、テキサス州を中心にロケが行われました。

撮影

撮影は、テキサス州で行われ、ロケーションにはスミスヴィルやヒューストンなどが含まれました。撮影監督には、マリックと前作『ニュー・ワールド』で共同作業をしたエマニュエル・ルベツキが起用されました。この作品で印象的に描かれる木は、スミスヴィル近くから運ばれた巨大なカシの木です。この木とその根鉢は、特別に移植され、映画に登場します。

公開と評判

映画は、第64回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門で初上映されました。上映後は賛否が分かれ、一部では拍手喝采が起こる一方で、反対意見もありました。しかし、この作品はカンヌにおいて最高賞であるパルム・ドールを受賞しました。Rotten Tomatoesでは、高評価を得ており、2016年のBBCによる投票では「21世紀の偉大な映画ベスト100」の第7位に選ばれました。

評価と批評

日本の映画批評家の蓮實重彦は、映画の存在意義に疑問を投げかけるような厳しい批評を行うなど、その評価は多様です。このように『ツリー・オブ・ライフ』は、視覚的美しさと複雑なテーマ性が評価される一方で、理解されにくい側面もある作品となっています。観る者に深い思索を促す本作は、映画の枠を超えた豊かな体験を提供しています。

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