ツルマイアスワン

ツルマイアスワン：クラシックへの夢と重賞制覇

1987年4月29日、北海道門別町のヤナガワ牧場で誕生したツルマイアスワンは、競走馬として華々しいデビューを飾るものの、怪我による長期休養を余儀なくされます。春のクラシック競走への挑戦は叶いませんでしたが、持ち前の才能は秘められていました。

1990年、3歳となったツルマイアスワンは、東京競馬場の未勝利戦で復帰。見事な勝利を収めると、続くくちなし賞でも連勝を飾ります。そして迎えた、重賞初挑戦のラジオたんぱ賞。4番人気と決して恵まれた立場ではありませんでしたが、最終コーナーから鋭い追い上げを見せ、桜花賞2着、優駿牝馬3着の実績を持つケリーバッグを差し切り、見事に優勝しました。この勝利は、ツルマイアスワンの潜在能力の高さを証明するものでした。

菊花賞への期待も高まりましたが、その後は再び故障に見舞われ、1年間の休養を余儀なくされます。1991年、5歳で復帰したメトロポリタンステークスでは4着と健闘しましたが、その後は残念ながら出走することはありませんでした。

ツルマイアスワンの血統は、非常に優れたものといえます。4代母には1961年東京牝馬特別勝ち馬のクリバン、5代母には1941年阪神優駿牝馬勝ち馬の英月（競走馬名テツバンザイ）を持つ、まさに名門の血を受け継いでいました。半兄には安田賞勝ち馬のクリチカラもおり、その才能は血統からも裏付けられています。

引退後は種牡馬としての道を歩み始めましたが、残念ながら種付け実績を残すことなく、1993年4月30日付で用途変更となりました。短い競走生活でしたが、ラジオたんぱ賞での勝利は、ツルマイアスワンの競走馬としての輝かしい功績として、長く記憶に残ることでしょう。その活躍は、多くの競馬ファンに感動と興奮を与え、そして忘れられない存在として、今も語り継がれています。

ツルマイアスワンの競走生活は、怪我という大きな壁に阻まれながらも、持ち前の能力と努力によって、重賞制覇という素晴らしい結果を残しました。その短いながらもドラマチックな物語は、競走馬としての成功と挫折、そして血統の偉大さを改めて私たちに教えてくれます。彼の短いながらも情熱的な競走生活は、競馬史に小さな、しかし確かに光り輝く一ページを刻みました。

主な戦績

1990年 ラジオたんぱ賞（GIII）：優勝

血統

4代母：クリバン（1961年東京牝馬特別勝ち馬）
5代母：英月（競走馬名テツバンザイ、1941年阪神優駿牝馬勝ち馬）
半兄：クリチカラ（安田賞勝ち馬）

参考資料

『優駿』1990年9月号
netkeiba.com
* JBISサーチ

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