ティアラジオ

インターネットラジオ黎明期を彩った人気番組『緑川光と宮田幸季のティアラジオ』（略称：ティアラジ）。2007年11月14日、声優の緑川光さんと宮田幸季さんによって幕を開けたこの番組は、リスナーを「パール」と呼び、洗練された大人の世界観を届けることで多くのファンを魅了しました。

番組は、パーソナリティ二人の軽妙なトークと、リスナー参加型のコーナーが大きな魅力でした。リスナーから寄せられたメールを基にしたコーナー『ビジューな時間』では、日常の出来事から恋愛相談まで、幅広いテーマが取り上げられ、二人の絶妙な掛け合いと、時折見せるお茶目な一面がリスナーを和ませました。メールは、まるで宝石を鑑定するように、独特の視点で二人の自由な解釈が加えられていました。

もう一つの看板コーナー『妄想男子！』では、リスナーが送ってきた簡単なプロフィールを元に、緑川さんと宮田さんが自由に妄想を膨らませ、時にコミカルに、時にシリアスに、魅力的なキャラクター像を創造していきました。さらに、後日、その妄想を元に制作されたプチドラマが公開されるという、リスナー参加型の企画も大きな話題となりました。

ユニークなコーナーとして『受け攻めどっち？』もありました。リスナーが身の回りのものを「受け」と「攻め」に分類し、それを二人が判定するという、予想外の展開と笑いが絶えないコーナーでした。例えば、「ポットは受け攻めどっち？」という問いに、「注ぎ口が長いから攻め！」と答えるなど、自由奔放な発想とユーモア溢れる判定が番組を盛り上げました。

番組内では、緑川さんと宮田さんが宝石に例えられ、緑川さんはエメラルド（エメさま）、宮田さんはトルマリン（当初はトルさま、後にマリンちゃん）と呼ばれていました。また、リスナーから募集した挨拶「グラッシュー！」も番組を象徴するフレーズの一つとなりました。

『緑川光と宮田幸季のティアラジオ』は、隔週水曜日に配信され、以前二人がパーソナリティを務めていた『好きしょラジオ』を彷彿とさせる雰囲気も持ち合わせていました。本人たちも、この番組を継続したかったと語っており、多くのリスナーにとって、かけがえのない存在だったことが伺えます。

しかし、2009年7月29日、第44回の配信をもって、制作上の都合により更新が休止。その後、2011年にはサイトが閉鎖され、番組は惜しまれつつも幕を閉じました。インターネットアーカイブに残された数々の回は、今もなお、多くのファンに愛され続けています。洗練された大人の世界観と、リスナーとの温かい交流、そして二人の絶妙なコンビネーション。それは、インターネットラジオの歴史に燦然と輝く、珠玉の番組でした。番組が終了した今でも、その魅力は色褪せることなく、多くのリスナーの記憶に刻まれています。

もう一度検索