ティラーノ

ティラーノは、イタリア共和国ロンバルディア州ソンドリオ県に位置するコムーネで、県内ではソンドリオ、モルベーニョに次ぐ人口規模を誇ります。アッダ川のほとりに佇むこの街は、16世紀に建設された美しい聖母教会を有し、歴史と文化が息づいています。

地理

ティラーノは、ソンドリオ県の東部に位置し、県都ソンドリオから東北東へ約24km、スイスのサンモリッツからは南東へ約40kmの距離にあります。特筆すべきは、ティラーノの北西に位置するヴァル・ポスキアーヴォがスイス領であることです。アッダ川支流の谷筋がスイス領となっており、イタリア領に食い込むような地形をしています。ティラーノ市街からわずか約2kmの地点にスイスとの国境が迫り、北西約5kmにはスイス領のブルージオという町があります。

地勢・地形

街を流れる主要な河川は、アッダ川とポスキアヴィーノ川です。イタリアの地震リスク階級では、ティラーノは3に分類されています。

行政

ティラーノは、広域行政組織であるヴァルテッリーナ・ディ・ティラーノ山岳部共同体の事務所所在地となっています。また、Baruffini、Cologna、Madonna、Roncaiolaといった分離集落（フラツィオーネ）を有しています。

文化・観光

ティラーノは、「スローシティ」に加盟しており、ゆったりとした時間の中でその魅力を堪能できます。

交通

ティラーノは、鉄道交通の要衝でもあります。

RFI（FS）：ティラーノ＝レッコ線（レッコ - ソンドリオ - ティラーノ）
レーティッシュ鉄道 (RhB)：ベルニナ線（サンモリッツ - ポスキアーヴォ - ティラーノ）

FS（旧イタリア国鉄）のティラーノ＝レッコ線は、ソンドリオやレッコとを結び、レーティッシュ鉄道のベルニナ線は、スイスのサンモリッツとを結んでいます。両路線の駅は隣接していますが、駅舎は別々です。ベルニナ線は、市内で路面を走る区間があることも特徴です。

特にベルニナ線は、沿線の自然景観が非常に美しく、「ベルニナ急行」が運行される観光路線として人気を集めています。また、20世紀初頭の鉄道技術を示す貴重な例として、世界遺産「レーティッシュ鉄道アルブラ線・ベルニナ線と周辺の景観」にも登録されています。

日本の箱根登山電車は、1910年代の建設時にベルニナ鉄道を参考にしたという縁があり、1979年には姉妹鉄道協定が締結されました。ティラーノ駅には、箱根登山鉄道から寄贈された日本語の駅名看板が展示されています。

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