ティルマン・ラフ

ティルマン・ラフについて

ティルマン・ラフ（Tilman Ruff, 1955年 - ）は、オーストラリアの公衆衛生専門の医師であり、メルボルン大学の准教授です。彼は、核戦争防止国際医師会議（IPPNW）の共同会長を務めており、また核兵器廃絶国際キャンペーン（ICAN）の設立メンバーおよび初代代表として、核軍縮の重要な活動に従事してきました。

核軍縮への取り組み

ラフは2010年に《シドニー・モーニング・ヘラルド》紙に寄稿し、核兵器の数が1986年の約70,000からおよそ23,000にまで減少したことを強調しました。「私たちは長い道のりを歩んできました。核兵器の数が劇的に削減されました」と語り、進展を評価しています。また、彼はオーストラリアの元首相マルコム・フレーザーとの共著によって「2015年は核兵器を禁止する年」という意義ある論文を発表し、核兵器廃絶の重要性を訴えました。

2017年には、ICANがノーベル平和賞を受賞した際、ラフはこの業績と受賞を誇りに思うと表明しました。ICANは、核兵器の使用がもたらす人道的な惨事を広く知らしめ、これらの兵器の禁止に向けた条約の策定に努めたことが評価されました。

栄誉と受賞歴

ラフは2012年に、核兵器廃絶に向けた平和促進活動や、東南アジア・太平洋地域での予防接種プログラム促進に対してオーストラリア勲章を受章しました。その後、ICANがノーベル平和賞を受賞した2017年においても、ラフは重要な役割を果たしました。加えて、2019年の女王誕生日叙勲では、核不拡散と軍縮への卓越した貢献に対してオーストラリア勲章オフィサー級を受章しています。

私生活

ラフは1955年に南オーストラリア州アデレードで生まれ、妻シャーロッテとの間に成人した子どもが二人います。彼の子どもたち、イングリッドとクリスティアンは、ラフが核軍縮の提唱に踏み込む決意を更に強めた要因となっています。また、ラフはモナシュ大学とグレン・ウェイヴァリー・セカンダリー・カレッジの卒業生です。

彼の活動は、医学的な観点からだけでなく、人類全体にとっての未来を考慮した重要なものであり、国際的な平和の促進に貢献する姿勢が評価されています。ティルマン・ラフの取り組みは、核兵器の廃絶という目標を実現するための道筋を示しており、彼の活動は今後も多くの人々に影響を与え続けることでしょう。

もう一度検索