マルコム・フレーザー

ジョン・マルコム・フレーザーの生涯と業績

ジョン・マルコム・フレーザー（1930年 - 2015年）は、オーストラリアの政治家であり、第22代首相として知られています。彼の政治キャリアは、様々な役職を経験しながら、国内外に多大な影響を与えました。

フレーザーはメルボルン近郊のトゥーラックで育ち、実家の羊牧場で過ごしました。1952年にオックスフォード大学で政治学と経済学の学位を取得し、故郷に戻った後、1955年の総選挙で初当選を果たし、オーストラリア史上最年少の下院議員となりました。彼はハロルド・ホルト政権で陸軍相としてキャリアをスタートし、その後の政府でも文部科学相や国防相として要職を歴任しました。

1971年に閣僚を辞任し、当時の首相ジョン・ゴートンを批判したことが後の展開に影響を与え、ゴートン政権の総辞職を招く一因となりました。その後、フレーザーは自由党の lider ランダムであり続け、1975年に首相の座を得ることになります。彼の首相就任は結果的に、オーストラリア史上初めての総督による首相の罷免という事態を裏に持っていました。

フレーザーの在任中は1975年から1983年までの間において、外交政策を重視しました。彼の最も重要な取り組みの一つは、1976年に日本との間で締結した日豪友好協力基本条約です。また、彼は多文化主義を支持し、南ベトナムからの難民であるボートピープルなど多くの非白人移民を受け入れ、白豪政策を実質的に終わらせました。その結果、オーストラリア社会の多様性が大きく進展しました。

フレーザーはまた、公共放送の新たな取り組みとしてスペシャル・ブロードキャスティング・サービス（SBS）を設立しました。一方で、経済政策に関しては苦労が続き、任期の後半には党内の経済合理主義者と対立する場面もありました。1983年の総選挙で敗北すると、アクティブな政治活動からは退くことになります。

彼の政治キャリアのあと、フレーザーは国際連合やイギリス連邦などでの役職に就き、1990年からは国際ケア機構の理事長としても活動しました。また、彼は2006年に旭日大綬章を受章し、オーストラリア社会に多大な貢献を果たしました。彼の死去後も、その政治的な功績や意見が語り継がれています。

フレーザーは、自由党の党首トニー・アボットの政策に異を唱え、最終的には離党しました。彼の首相在任期間はオーストラリアの歴代首相の中でもロバート・メンジーズ、ジョン・ハワード、ボブ・ホークに次ぐ順位にあり、彼の影響力がいかに大きかったかを物語っています。

フレーザーの遺した功績は、オーストラリアが多文化共生社会を目指す上での重要な一部を形成し続けています。

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