ティール (練習艦)

ティール (INS Tir A86)

ティール（INS Tir A86）はインド海軍に所属する練習艦であり、1986年に正式に就役しました。この艦は、インド海軍にとって初の新造練習艦で、多くの士官候補生が乗船し、海上での訓練を受けています。

概要

ティールは、1983年4月に進水し、1986年2月に正式に任務に就きました。設計は商船規格に基づき、最大120名の士官候補生と20名の教官が搭乗可能です。艦の母港はコチで、第1練習艦隊に配属されています。ティールの姉妹艦は存在せず、1986年に発注された2番艦はキャンセルされました。また、インド海軍において同名の艦としては、英国のリバー級フリゲート「ティール（K256）」が以前に運用されていました。

設計と性能

この艦は、実戦向けの兵装はあまり持たず、前甲板にボフォース60口径40mm連装機関砲Mk5を1基装備しているのみです。これは訓練艦としての役割に特化しているためであり、不要な武装は省かれています。後部にはヘリコプターの発着が可能なヘリ甲板も設けられ、デッカ衝突回避用のレーダー警報装置と衛星航法システムも搭載されています。

海賊対処行動

ティールはその訓練や教育の役割を果たす一方で、海賊対策にも従事することがあります。2011年2月5日、ティールはラクシャドウィープのSuheli Par環礁近くで訓練中に、ムンバイの海上救助調整センターからの通知を受け、ソマリア沖での海賊の活動に関する情報を得ました。彼らは、ハイジャックされて海賊母船として使用されていたタイのトロール漁船「Prantalay11」を追跡することとなりました。

追跡にはインド沿岸警備隊の巡視船サマールも加わりました。ティールは、海賊母船に臨検のための停船命令を出しましたが、海賊たちは発砲しました。これに対してティールは反撃を行い、戦闘の結果として海賊3名が負傷し、最終的には28名が逮捕されました。なお、トロール漁船の乗組員24名は無事に救出されました。

結論

ティールは、その教育的使命だけでなく、インド海軍の海賊対策にも貢献していることが分かります。今後も、この艦はインド海軍において重要な役割を果たしていくことでしょう。

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