テイルズ オブ ジ アビス

『テイルズ オブ ジ アビス』概要

『テイルズ オブ ジ アビス』（TALES OF THE ABYSS、略称：TOA）は、バンダイナムコゲームスが2005年12月15日にPlayStation 2向けにリリースしたロールプレイングゲームです。この作品は『テイルズ オブ』シリーズの一環であり、シリーズの10周年を記念する作品でもあります。本作のキャラクターデザインは、藤島康介と奥村大悟によって手がけられました。

設定とストーリー

物語は、敵対するキムラスカ・ランバルディア王国とマルクト帝国の二大国の間で繰り広げられます。物語の中心には、キムラスカ公爵家の一人息子ルークがいます。彼は7年前にマルクトの者に誘拐された際に記憶を失い、以降は家に軟禁されて育てられました。唯一の癒しは剣の師匠であるヴァンとの修行でした。

ある日、ルークはヴァンを襲撃しようとする少女ティアと出会い、彼女との出会いをきっかけに物語が動き始めます。彼らは謎の瞬間移動に巻き込まれ、共に冒険の旅に出ることとなります。その中で出会う仲間たちや、直面する困難を通じて、ルークは自らの生まれた意味を見つけ出すための戦いを繰り広げていきます。

ゲームシステム

『テイルズ オブ ジ アビス』の戦闘システムは「フレックスレンジ・リニアモーションバトルシステム（FR-LMBS）」と呼ばれます。このシステムは、前作『テイルズ オブ シンフォニア』の「マルチライン・リニアモーションバトルシステム（ML-LMBS）」を改良したもので、プレイヤーへの操作感を向上させる要素が盛り込まれています。

戦闘における新要素

• - フリーラン: キャラクターが自由に戦闘フィールド内を移動できるシステムで、これまでのシリーズでの制約を解消しています。
• - Cコア: 装備アイテムの一種で、登場キャラクターの能力値を向上させる役割を果たします。
• - ADスキル: キャラクターに特定の能力を付加するスキルで、戦闘スタイルに多様性を持たせます。
• - FOF（フィールド・オブ・フォニムス）: 属性攻撃によって発生するフィールド。特定の術技を使用することで、強力な属性攻撃が実施できます。

教材と信号

本作では、音素（ほにむ）という独自の要素が重要な役割を持ちます。音素は物質を構成する基本的な要素であり、闇、地、風、水、火、光の6つの属性を持っています。さらに、音素が一定以上集合することで自我を持つ「意識集合体」の存在も描かれており、物語の深さを増す要因となっています。

また、物語の根底には音素に基づいた科学技術である「譜業」や、音素に干渉することで魔術的な効果を引き起こす「譜術」が登場します。このような技術は、登場キャラクターたちの能力に直接影響を与える重要な要素です。

キャラクターたち

本作には多彩なキャラクターたちが存在します。主人公ルークに加え、ヒロインのティア、冷静沈着なジェイド、そして強力な敵役のヴァンやアッシュなど、それぞれが独自の背景や動機を持っています。物語を進める中で、彼らの人間関係や成長も重要なテーマとなるため、プレイヤーは深い没入感を得られます。

受賞歴

『テイルズ オブ ジ アビス』は、その完成度の高さから多くの賞を受賞しています。PS2版は「9th CESA GAME AWARDS FUTURE」を受賞し、その後、日本ゲーム大賞2006の優秀賞にも輝きました。これにより、作品の知名度と評価が高まる要因となりました。

番外編

本作は2008年から2009年にかけて、テレビアニメ化もされました。アニメではストーリーの一部分がより視覚的に描かれ、新たなファンを獲得しました。ニンテンドー3DS版も発売され、携帯機ならではの特長を生かした新たな体験が提供されています。

本作『テイルズ オブ ジ アビス』は、壮大な物語と魅力的なキャラクター、豊富なアクションが融合した傑作RPGとして、多くのファンに愛されています。

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