テオドロ・オビアン・ンゲマ

テオドロ・オビアン・ンゲマ・ムバソゴ：赤道ギニアの長期政権を担う政治家

テオドロ・オビアン・ンゲマ・ムバソゴ（1942年6月5日 - ）は、赤道ギニアの第2代大統領であり、同国を長きにわたり統治しています。スペインの士官学校で学んだ後、軍人としてキャリアをスタートさせました。1979年8月、叔父であるフランシスコ・マシアス・ンゲマの独裁政権をクーデターによって打倒し、自ら国家元首の座に就きました。

強権的な政治手法と長期政権

ンゲマは、政権掌握後、事実上の一党独裁体制を確立しました。1982年には新憲法を制定し民政移管を装いましたが、その後もクーデター未遂が頻発しました。1987年には、自身が率いる赤道ギニア民主党（PDGE）を結成し、民主化を求める国際社会からの圧力に対し、1991年に複数政党制を導入した新憲法を国民投票で承認させました。しかし、野党勢力は選挙をボイコットし、PDGEが圧倒的な勝利を収めました。その後も、1996年、2002年、2009年、2022年の大統領選挙で、ンゲマは高い得票率で再選を果たし、長期政権を維持しています。2016年時点では、アフリカで最も長く政権を担う指導者となり、君主を除けば世界最長の在任期間を誇ります。

国際社会からの批判

ンゲマの政権運営は、国際社会から批判を受けています。人権団体や国際機関は、ンゲマ政権下での強制失踪、恣意的な拘束、拷問などの人権侵害を指摘しています。また、ンゲマ自身も、人食いや麻薬中毒者であるという批判や、石油収入を不正に蓄財しているという疑惑が報じられています。2022年9月には、死刑制度の完全廃止法案に署名しましたが、これは国際社会からの批判をかわすためのポーズであるとの見方もあります。

家族と汚職問題

ンゲマの息子であり、第一副大統領を務めるテオドロ・ンゲマ・オビアン・マンゲも、その贅沢なライフスタイルが批判されています。海外に高額な資産を保有し、不正な資金洗浄に関与した疑いも指摘されています。2019年には、スイスの検察による捜査の結果、所有していたスーパーカーが差し押さえられ、競売にかけられるという事件も発生しました。このように、ンゲマ一族による汚職は、赤道ギニアの深刻な問題となっています。

まとめ

テオドロ・オビアン・ンゲマ・ムバソゴは、クーデターで政権を奪取して以来、赤道ギニアを長期にわたり統治している政治家です。強権的な政治手法や人権問題、汚職問題など、多くの課題を抱えながらも、その権力基盤は揺るぎないものとなっています。今後の赤道ギニアの政治情勢は、ンゲマの動向に大きく左右されると考えられます。

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