テクノポリス21C

テクノポリス21C（てくのぽりすトウェンティワンセンチュリー）

『テクノポリス21C』は、1982年8月7日に東宝系で公開された日本のアニメ映画で、約78分の上映時間があります。物語は21世紀初頭の科学都市を舞台にしており、人間と人工知能からなる人型ロボットがパートナーとして共に犯罪に挑みます。この映画はSF刑事アクションとして高い評価を受け、当時のアニメ界に大きな影響を与えました。

概要

本作の企画は1978年末に遡り、アートミックの前身であるウィズコオポレイションがトミー向けにテレビシリーズの制作を目指して始まりました。初めてタイトルが『ロボット警察99』や『フューチャーポリス99』とされた後、最終的に『テクノポリス21C』に決まりました。タイトルは「技術集積都市」と「未来警察機構」を掛けたもので、作品のテーマと密接に関連しています。設定やデザインには、特にSFデザイン集団スタジオぬえが関わり、大きな貢献をしました。

当時、実写特撮とアニメを融合させる技術が注目されていたため、本作でも最初はミニチュアや着ぐるみを使用する計画があったものの、最終的には完全アニメーションとなりました。メカデザインを担当した宮武一貴は、デザインの複雑さが原因で、実写風デザインの適用が困難だったと述べています。

映画の制作過程では、全24話構想の中から第11話・12話をパイロットフィルムとして制作することが決定しましたが、テレビシリーズの実現が難航したため、さまざまなエピソードを組み合わせて80分弱の作品にまとめられました。最終的には1982年に劇場公開され、限られた劇場での上映となりました。

公開後、関連商品としてプラモデルやサウンドトラックが販売されました。また、本作の数ヶ月後には、ぬえが関わった『超時空要塞マクロス』が全国放送を開始し、アニメ界に新たな波をもたらしました。

ストーリー

物語は、2001年の未来都市センチネルシティーが舞台です。この都市ではメカを利用した犯罪が横行しており、それに対抗するために警察内に特捜マシン隊「テクノポリス」が設立されました。村上博士が開発した3体の「テクロイド」と選抜された隊員たちが協力し、凶悪事件の捜査に乗り出します。

ある日、新型空挺戦車「テムジン」がテロリストにハイジャックされ、都市に降下します。テクノポリスの活動によりテロリストは逮捕されましたが、テムジン内部の自動プログラムが作動し、隊員のエレナが閉じ込められ暴走を始めてしまいます。軍はその状況に危機感を募らせ、破壊部隊を派遣しますが、テムジンの無差別な発砲が市街地を混乱に陥れる事態となります。もしテムジンが弾を使い果たすと、エレナもともに自爆の危機にさらされます。

必死の追跡の末、京介とテクロイド・ブレーダーはエレナを救出しますが、テムジンは潜水艦を敵と判断し、自ら体当たりを行い大爆発を起こし、物語は大きなクライマックスを迎えます。

登場人物

本作には多くの魅力的なキャラクターが登場します。主な登場人物には、テクノポリスの警察官「壬生京介」、エリート隊員「風吹エレナ」、地方警察出身の「香坂かおる」、そしてテクノポリスの創設者「鳴海吾郎」などがいます。それぞれがテクノポリスのメカやサポートキャラクターと連携し、市民の安全を守るために奮闘します。主要なメカとしてはテクロイドが登場し、異なる特技を持つ3体が捜査官をサポートします。

スタッフ

本作の制作には多くの才能が集結しました。プロデューサーは森岡道夫、監督は松本正志、脚本には松崎健一、星山博之、山本優が名を連ねています。音楽は久石譲が担当し、作品に明るさや緊張感を与えました。