テクノポリマー

テクノポリマー株式会社の概要

テクノポリマー株式会社（英称: Techno Polymer CO., Ltd.）は、日本の化学業界でかつて活動していた企業で、合成ゴムの大手であるJSRの完全子会社でした。主にABS樹脂の生産・販売・研究を行い、その市場でのシェアは2018年3月時点で国内第1位を誇っていました。会社は四日市市に研究・開発・製造拠点を構え、年間の設備能力はABSで25万トン、AS・AESでは3万トンに達していました。

事業内容

テクノポリマーは、スチレン系樹脂の一群を製造・加工・販売していました。具体的には、ABS樹脂をはじめ、AS、AES、ASAなどの他のポリマーアロイを取り扱っていました。また、これらの材料に関する研究開発やテクニカルサービスも行い、業界のニーズに応じた新しい製品の開発にも力を入れていました。

沿革

テクノポリマーの歴史は1961年にさかのぼります。当初は三菱モンサント化成という合弁会社にてAS樹脂の生産が始まりました。1966年にはABS樹脂の生産も開始し、その後、日本合成ゴム（現JSR）がABS樹脂の生産を引き継ぎました。1994年には、米国のモンサントが資本を撤収し、三菱化学に統合されました。

1996年には、JSRと三菱化学の連携のもとテクノポリマー株式会社が設立されました。その後も政策的な買収を重ね、2002年に鐘淵化学工業（現カネカ）から耐熱ABS樹脂の事業が保有されるまで成長を続けました。2009年には、三菱化学が業界から撤退し、日本合成ゴムの完全子会社となりました。

最終的に、2018年にはUMG ABSとの統合が実現し、テクノUMG株式会社として新たなスタートを切ることとなりました。

関連会社

テクノポリマーは、国内外に多くの関連会社を持っていました。その一部には、タイのTechno Polymer Thailand、香港のTechno Polymer Hong Kong、中国のTechno Polymer GuangzhouやTechno Polymer Shanghai、アメリカのTechno Polymer America、さらにはオーストリアのTechno Europeが存在しました。また、中国には上海虹彩塑料有限公司や大科能樹脂（上海）技術発展有限公司、星科工程塑（深圳）有限公司なども関連していました。

終わりに

テクノポリマー株式会社は、日本の化学業界において重要な役割を果たしていた企業であり、その事業の多様性と特異性は評価されていました。しかし、業界の動向や企業戦略の見直しにより、2018年に新たな形で幕を閉じたり、次のステージでの挑戦を迎えたりしています。テクノUMG株式会社としての活動にも注目が集まることでしょう。

もう一度検索