テスラ・サイバートラック

テスラ・サイバートラックの魅力

テスラ・サイバートラックは、テスラ社が手がけるフルサイズの電動ピックアップトラックです。このトラックは、従来のトラックに比べて利便性が高く、スポーツカーを凌ぐパフォーマンスを誇るとされています。2019年11月に発表された後、生産開始の予定は2021年の後半とされていましたが、部品調達に関する問題から出荷が遅れることとなりました。結局、2023年12月から初めての納車が開始されました。

モデルと性能

サイバートラックは、3つの異なるモデルがあります。最も手頃なモデルは1モーターの後輪駆動（RWD）で、価格は60,990ドルです。次に2モーターの全輪駆動（AWD）が79,990ドルで、最上級モデルの3モーターのサイバービーストは99,990ドルです。それぞれのモデルには、特有の加速性能があります。RWDは0-100km/hを6.7秒で加速し、AWDは4.3秒、サイバービーストは驚異の2.7秒を誇ります。

エクステリアデザイン

サイバートラックのデザインは一際目を引きます。直線的なボディラインは「ウルトラハード 30X コールドロール ステンレススチール」という特別な合金によって実現されています。この素材は、イーロン・マスクがCEOを務めるスペースXのロケットにも使用されていますが、加工の難しさから直線的なデザインにせざるを得ませんでした。また、このトラックのボディはエクソスケルトン構造を持っており、外部の衝撃に強い設計がされています。

ガラス部材には、「テスラ アーマーガラス」と呼ばれる超強力ガラスが使われており、2019年の発表時にはその頑丈さを証明するデモンストレーションが行われました。ところが、強化ガラスに鉄球がぶつかり、ヒビが入るというハプニングも引き起こされ話題を呼びました。

インテリアの特徴

サイバートラックの内装は、運転席と助手席の前2席、後部座席の3席、合計5人乗りの設計です。後部座席の下には収納スペースも確保されています。ダッシュボードには、ステアリングホイールと17インチのタッチスクリーンだけが搭載されています。特にユニークなのは、レーシングカーのような形状のヨークステアリングを採用している点です。ダッシュボード自体は大理石風の見た目で、素材には紙と木部繊維、天然木顔料、非石油系樹脂が使用されています。

安全性の課題

サイバートラックのデザインに関しては、安全性についての懸念も存在します。角ばった形状と硬いステンレススチール製外装が、歩行者や他の車両に与えるリスクが指摘されています。「外骨格」設計は、衝突時の衝撃を吸収する利点があるとされている一方で、クラッシャブルゾーンの縮小が過度の傷害を引き起こす可能性があるとの意見もあります。

テスラはこのデザインを擁護しており、米国の規制当局の基準もクリアしているとしています。

リコール情報

2024年にはいくつかのリコールが発生しました。2月には、アンチロックブレーキシステムの警告灯視認性に関する問題で221万台以上の車両が対象となりました。4月には、アクセルペダルの不具合により3878台がリコールされ、急加速のリスクについても警告されています。このほか、ワイパーやトランクに関する不具合でも約2万台がリコール対象となっているほか、リアビューカメラ画面のソフトウェア問題も発生しており、合計で数万台が影響を受けています。

テスラ・サイバートラックは、その未来的なデザインと高性能、さらには安全性に関する課題を抱えつつも、現代のピックアップトラックの新たなスタンダードを築く存在となっています。

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