テッド・ライオンズ

セオドア・アマール・ライオンズ：日曜日の名投手

セオドア・アマール・ライオンズ（Theodore Amar "Ted" Lyons）は、1900年12月28日にルイジアナ州レイクチャールズで生まれ、1986年7月25日に86歳で生涯を閉じた、アメリカ合衆国を代表するプロ[[野球選手]]（投手）です。右投両打で、その卓越した投球術から「サンデー・テディ（Sunday Teddy）」という愛称でファンに親しまれました。

プロ入りと初期の活躍

1923年7月、ライオンズはシカゴ・ホワイトソックスに入団。翌年から先発ローテーションの一角を担い、その実力を開花させます。ライオンズは、打たせて取るタイプの投手であり、三振を奪うよりも、持ち前の制球力と緩急を活かした投球で打者を打ち取ることを得意としていました。通算でシーズンの奪三振数が80を超えることはありませんでしたが、1925年には21勝、1927年には22勝を挙げ、2度の最多勝投手に輝いています。1926年8月21日には、ノーヒットノーランを達成。この時の試合時間はわずか67分という驚異的な記録でした。

安定した活躍と「サンデー・テディ」

1931年に4勝と成績が落ち込んだ年を除き、ライオンズは毎年安定して2桁勝利を挙げる活躍を見せました。1932年には、全日本大学野球連盟の招きで来日。モー・バーグ、レフティ・オドールと共に、東京六大学野球連盟の各大学で野球指導を行いました。30代後半に入ると、登板機会は徐々に減少していきましたが、1939年に当時のホワイトソックスの監督だったジミー・ダイクスは、38歳になっていたライオンズを日曜日のデーゲームに登板させるという奇策に出ます。これが功を奏し、ライオンズは38歳から41歳までの4シーズン全てで2桁勝利を記録。4年間で通算52勝30敗という好成績を収めました。特に1942年には、41歳にして最優秀防御率のタイトルを獲得。年齢を感じさせない活躍は多くのファンを魅了しました。

現役引退とその後

第二次世界大戦による現役中断を挟み、1946年には45歳で5試合に登板し、現役を引退。通算260勝という記録を残しました。当時のニューヨーク・ヤンキースの監督だったジョー・マッカーシーは、「もしヤンキースで投げていれば400勝以上はできていただろう」とライオンズの実力を高く評価しました。引退後はホワイトソックスの監督を務めましたが、1948年には101敗を喫し、退任。その後はデトロイト・タイガース（1949年 - 1952年）とブルックリン・ドジャース（1954年）で投手コーチを務め、指導者としても野球界に貢献しました。

1955年には、記者投票によりアメリカ野球殿堂入りを果たし、その功績が讃えられました。その後も古巣ホワイトソックスのスカウトとして活動し、1967年に勇退するまでチームを支えました。

晩年と永久欠番

晩年は、ルイジアナ州サルファの老人療養施設で過ごし、1986年7月25日に同施設で死去。86歳でその生涯を閉じました。彼の死後、1987年にはホワイトソックスは、ライオンズの背番号『16』を永久欠番に指定しました。当時、ホワイトソックスの永久欠番選手の中で最も長生きした人物であり、後輩のミニー・ミノーソが記録を更新するまでその記録を保持していました。

投球スタイル

ライオンズは、1931年に肩を故障する前までは、ナックルボール、カーブ、チェンジアップを主な球種としていました。その後は、スローカーブ、ナックルボール、緩やかな変化をするカーブ（チェンジアップ）を駆使し、打者を翻弄しました。投球フォームはオーバースローであり、その独特の投球スタイルは多くの野球ファンを魅了しました。

主な獲得タイトル・記録

最多勝利：2回（1925年、1927年）
最優秀防御率：1回（1942年）
オールスターゲーム選出：1回（1939年）
ノーヒットノーラン：1回（1926年8月21日）

打撃成績

* 通算成績：705試合、1563打数364安打、本塁打5、打点149、打率.233

セオドア・アマール・ライオンズは、その卓越した投球術と長きにわたる活躍で、アメリカ野球史にその名を深く刻んだ偉大な投手です。

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