テトラマスターFrom FINALFANTASY IX

『テトラマスターFrom FINAL FANTASY IX』（通称：テトラマスター、TM FFIX、TM FF9）は、スクウェア（現スクウェア・エニックス）が開発・運営したオンラインゲームです。このゲームは、『ファイナルファンタジーIX』（FFIX）に登場するミニゲーム「クアッドミスト」をベースとしており、2002年 5月16日に『ファイナルファンタジーXI』（FFXI）の同梱ソフトとしてサービスが開始されました。

このゲームは、FFIXの世界観を踏襲しつつ、クアッドミストのルールを拡張したオンライン対戦ゲームです。Windows版とPlayStation 2 (PS2)版が存在しましたが、単体での販売はなく、FFXIや『FRONT MISSION ONLINE』といった他のスクウェアのゲームソフトに同梱されていました。そのため、同時プレイができないなど、会員IDの伸び悩みも見られました。初期はFFIXのキャラクターカードのみでしたが、イベントの追加により『ファイナルファンタジーX』（FFX）のキャラクターカードも登場しました。

ゲームの概要

テトラマスターは、オンラインで他のプレイヤーとカードゲームを楽しむことができるだけでなく、無料コンテンツも提供していました。

フリーコンテンツ

カード占いとクリエイターボイスが無料で楽しめました。スタッフロールも閲覧可能でしたが、Flashのようなブラウザを介していたため、動作が重くなる場合がありました。

サーバー・ロビー

MOオンラインゲームであるため、最初に言語別サーバーを選択し、次に初心者や自由人向けのロビーを選びます。ロビーでは、NPCとの対戦か他のプレイヤーとのフリー対戦を選択できました。フリー対戦の場合は、他のプレイヤーが作成したテーブルに参加するか、自分でテーブルを作成する必要がありました。

ルール

基本的なルールはFFIXのクアッドミストと同じですが、テトラマスターでは3人対戦や、障害物やトラップの設置が可能でした。トラップカードは「?」で表示され、矢印をぶつけることで発動します。トラップカードには4種類あり、「ガーネット」は自分のカードを強化、「死神」は自分のカードを弱体化、「ブリ虫」は周囲8マスのカードの色をランダムに変更、「エアロ」はカードの配置を大きく乱します。これらの効果はランダムで発動しました。カードの強さや対戦結果によって、カードレベルや称号、ランキングスコアが算出されます。対戦の待ち時間を短縮するために、事前に10種類のデッキを登録できました。

NPC対戦

1人でも対戦できるモードです。FFIXに登場する脇役から、ジタンやクジャといったメインキャラクターまでがNPCとして登場しました。NPCはそれぞれ使用するカードの傾向が固定されているため、カード収集には不可欠なモードでした。例えば、ガーネットはジタン、スタイナーはベアトリクス、エーコはトランスエーコといったように、FFIX本編での関係性が反映されたデッキを使用してきました。対戦にはゲーム内通貨が必要でした。各キャラクターには「モットー」と呼ばれるポエムがありましたが、これはゲームのAIには影響しませんでした。

オークション

自分のカードを出品したり、他のプレイヤーが出品したカードを落札できました。落札結果はPlayOnlineのメッセージ機能で通知されました。

カードショップ

ゲーム内通貨でカードパックを購入できました。パックの中身はランダムで、まれにレアカードが出現する「驚愕」演出がありました。ランキング上位者が使用したデッキが自動的に販売されるシステムもあり、カードの差を金銭で解消することも可能でした。

FFXIサーバーメンテナンス

正式なイベントではありませんでしたが、テトラマスターの過疎化により、FFXIのサーバーメンテナンス中にプレイヤーが流入することがありました。

収録パッケージ

テトラマスターは以下のパッケージに同梱されていました。

『ファイナルファンタジーXI』
『FFXIオールインパック2006』
『FRONT MISSION ONLINE』
『ソースネクストはじめてのファイナルファンタジーXI』（Windows版のみ）

PS2版はHDDが必須のため、テトラマスター目的で購入するには費用がかさみました。一方、Windows版は要求スペックが低く、低価格のソースネクスト同梱版を購入することで、手軽にゲームを体験できました。

テトラマスターは、惜しまれつつも2010年12月31日にサービスを終了しましたが、その独特なゲーム性とFFシリーズの世界観は、今もなお一部のファンに愛されています。

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