テトヴォ

北マケドニアの都市テトヴォ：多様な文化が息づく街

テトヴォは、北マケドニア北西部に位置する都市で、サル山脈の麓、ペナ川沿いに広がっています。多様な民族が共存するこの街は、豊かな歴史と文化を持ち合わせています。

テトヴォの名の由来

テトヴォという地名の由来には、いくつかの説があります。

英雄テトにちなむ説：蛇の町を一掃した神話上の英雄テトに由来するという説
スラヴ語起源説：スラヴ語の「hteti」（求める）から派生し、「我々が住みたい土地」を意味する「Htetovo」に由来するという説

また、オスマン帝国時代には、木製の屋根を意味する「カルカンデレン」と呼ばれていました。

テトヴォの歴史

テトヴォ地域には、鉄器時代から人が暮らしていました。6～7世紀には南スラヴ人が移住し、正教会のスラヴ人集落が形成されました。14世紀には聖ボゴロディツァ教会が建てられ、キリスト教の中心地として発展しました。

14世紀末にはオスマン帝国の支配下に入りましたが、正教会の信仰中心地としての役割は維持されました。15世紀にはモスクやハンマーム、市場が建設され、イスラム教徒の人口も増加しました。パシャ・モスクとして知られる美しいモスク（サレナ・ジャミヤ）は1459年に建設されました。

トルコ統治下においても、テトヴォは地元農民や職人の重要な貿易中心地として発展し、軍事的な要所としての役割も担っていました。19世紀には周辺地域を含めて人口が増加し、フランス人旅行家のアミ・ブエは、カルカンデレンの人口を4,500人と記録しています。

テトヴォの見どころ

サレナ・ジャミヤ（モスク）：1495年に建てられ、1833年に再建された美しいモスク。旧市街のペナ川沿いに位置しています。
レショク修道院：テトヴォから8kmほどの場所にある修道院。聖アタナシウス教会や生神女教会も隣接しています。生神女教会は1326年に建てられ、ビザンティン建築の様式美を見ることができます。修道院の庭には、ユーゴスラビアの教育家キリル・ペイチノヴィクの墓があります。

テトヴォの人口構成

2002年の国勢調査によると、テトヴォの住民の多数派はアルバニア人で、およそ60,886人です。次いでマケドニア人が20,053人、ロマ人が2,357人、トルコ人が1,882人、セルビア人が604人、ボシュニャク人が156人、アルーマニア人が15人となっています。

テトヴォ出身の著名人

ブレリム・ジェマイリ（サッカー選手）
アギム・イブライミ（サッカー選手）
エグゾン・ベイトゥライ（サッカー選手）
ボスコ・ジュロヴスキー（サッカー選手、サッカー指導者）
ミルコ・ジュロヴスキー（サッカー選手、サッカー指導者）
シュパト・カサピ（歌手）

テトヴォは、多様な文化と歴史が息づく魅力的な都市です。北マケドニアを訪れる際には、ぜひ足を運んでみてください。

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