テルスター18

テルスター18：2018 FIFAワールドカップの公式試合球

テルスター18（Telstar 18）は、2018年に開催されたFIFAワールドカップで使用された公式試合球です。このボールは、1970年大会から続く伝統を受け継ぎ、アディダス社が製造しています。製造には日本のモルテンが技術協力を行っており、最新の技術が詰め込まれています。

ボールのデザインと技術

テルスター18は、2017年11月10日に発表され、その名前には「ワールドカップを通じて世界中の人々が試合を視聴できるようになった時代のスター」という意味が込められています。この名前は、1970年及び1974年の大会で使用されたテルスターというボールに由来しています。
ボールのデザインは、前回の公式球であるブラズーカと似た点もありますが、今回のボールは6枚の均一形状で構成されており、サーマルボンディング技術によって縫い目のない仕上げとなっています。この無縫製の設計により、ボールのバランスや飛行の安定性が向上しています。
さらに、テルスター18にはNFC（近距離無線通信）タグが内蔵されており、スマートフォンと連携することで、さまざまな情報を得られる仕組みになっています。この機能により、観客やプレイヤーがよりインタラクティブな体験を楽しむことができます。

決勝トーナメントと特別デザイン

ワールドカップの決勝トーナメントに入ると、テルスターのデザインに赤い色が追加されたテルスター ミチター（Telstar Mechta）が使用されました。この変更は、デザイン的なアクセントを加え、観客の目を引くものでした。
筑波大学の教授である浅井武氏によれば、テルスター18は中速のパスが特に良く飛ぶ一方で、ボールのヒットポイントによって軌道が大きく変化するため、選手はボールの表面をしっかり把握する必要があると指摘しています。
また、海外の研究チームが行った風洞試験によると、テルスター18はブラズーカと比べて空気抵抗が大きく、時速90キロ以上のスピードで蹴った場合、飛距離が8～10％ほど短くなることが分かりました。これに対し、ある研究者は「遠距離からのショットを狙うストライカーは強く蹴る必要があり、それに対してゴールキーパーは有利である」とコメントしています。一方で、キーパーからは「ボールがつかみにくい」という批判もあり、実際に2018年3月26日に行われたスペイン対ドイツの試合では、テア・シュテーゲン選手やデ・ヘア選手、レイナ選手が「改善が必要だ」と意見を述べました。特にレイナ選手は「本大会では少なくとも遠距離から35ゴールが入る」と予測しました。

Jリーグでの使用

テルスター18は2018年のJリーグでも使用されましたが、リーグ戦とは異なる特別なデザインのボールも存在しました。このように、テルスター18はワールドカップだけでなく、さまざまなサッカーイベントにおいて多くの議論を巻き起こしながら使用され続けています。

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