テルミット・プラス

テルミット・プラス（Thermit Plus, Tプラス）

テルミット・プラスは、著名な作家福井晴敏による小説『亡国のイージス』などに登場する架空の兵器です。この兵器は、米軍によって開発された特殊な焼夷弾で、テルミット焼夷薬に特別な溶液を加えることで、その燃焼能力を飛躍的に向上させた二液混合式の爆薬です。その破壊力は実に驚異的で、起爆すると半径3キロメートルの範囲を6,000度という高熱で焼き尽くすことができます。

特殊な用途

テルミット・プラスは、特殊兵器GUSOHの焼却処理に使われる特徴があります。GUSOHは、高度な危険性を伴う物質であり、通常の手段では取り扱いが困難です。そのため、テルミット・プラスは、この危険物に対抗するための「解毒剤」とも称されています。このように、米軍がこの兵器を使用することで、想像を絶する火力と柔軟性を備えた戦術を展開することが可能となっています。

TPex（Thermit Plus Extra）

『Op.ローズダスト』に登場するテルミット・プラスの改良型がTPex（ティーペックス）です。この改良型は、米軍から供給された従来のTプラスを元に日本の防衛庁が開発しました。TPexは、テルミット焼夷薬に新たに二種類の特殊溶液を加えた三液混合式爆薬であり、従来のTプラスの約3倍の破壊力を持っています。起爆までに必要な時間は約15分とされ、その間に空気にさらされると効力が低下するという弱点を抱えています。

位置探知機能

TPexが特異なのは、反応中に一定の電磁波を発生させる特性です。この電磁波によって、その位置を探知することが可能になります。『Op.ローズダスト』では、TPexセンサーという特殊な装置が登場し、この特徴を活かした様々な戦略が展開されます。

メディアにおける登場

興味深いことに、アメリカの映画『ザ・ロック』にもテルミットに関連した兵器が登場します。この作品では、液体VXガスを焼却するために、米軍が「テルミットプラズマ」という特殊焼夷弾を使用しています。これは、テルミット・プラスの設定を参考にした創作物であり、架空の兵器が現実の戦争においても有用であることを示しています。

芸術作品やゲームでの再現

テルミット・プラスやその改良型TPexは、いくつかの作品に登場し、その影響力が示されています。たとえば、小説「Twelve Y.O.」や「戦国自衛隊1549」のコミック版にはTPexが見られます。また、ゲーム『ウォーシップガンナー2 鋼鉄の咆哮』では、TPexミサイルとして取り入れられています。これにより、架空の兵器が多くのメディアで認知され、広く知られるようになっています。

関連する用語

テルミット・プラスは、その特異性から「テルミット法」という関連項目も存在します。これは、テルミット焼夷薬を利用した焼却方法に関わるもので、兵器や技術としてのさらなる研究や探求を促す要素でもあります。

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