テル・ミー・ホワイ (ビートルズの曲)

テル・ミー・ホワイ：ビートルズの隠れた名曲

1964年、ビートルズ旋風が世界を席巻する中、彼らが主演を務めた映画『ビートルズがやって来るヤァ!ヤァ!ヤァ!』のサウンドトラックとして誕生した楽曲、「テル・ミー・ホワイ」。この曲は、同映画のサウンドトラックアルバム『ハード・デイズ・ナイト』に収録され、瞬く間に世界中のファンを魅了しました。

創作秘話と楽曲構成

レノン＝マッカートニー名義ながら、この曲は主にジョン・レノンがパリもしくはニューヨーク滞在中に作曲したとされています。ポール・マッカートニーは、レノンの私生活、特に妻シンシアとの関係が歌詞に反映されているという噂について言及しつつも、具体的な裏付けはないと語っています。

レノン自身は、1980年のプレイボーイ誌のインタビューで、「アップテンポな曲が求められていたから書いた」と作曲の経緯を説明。その音楽性は、ニューヨークの黒人女性グループを思わせるような、シンプルながらも力強いドゥーワップ調となっています。

楽曲はDメジャーで構成され、レノン、マッカートニー、ハリスンの3声ハーモニーが美しい旋律を奏でます。特にコーラスパートでは、レノンがハリスンよりも高い音域を担当し、楽曲に華やかさを添えています。シンプルなブロックコードと軽快なベースラインが、曲全体のリズムを支える重要な役割を果たしています。

リリースと世界展開

「テル・ミー・ホワイ」は、アメリカでは『A Hard Day's Night』、イギリスでは『ハード・デイズ・ナイト』に収録されてリリースされました。その後、アメリカでは『サムシング・ニュー』にも収録され、幅広い層に浸透しました。

映画『ビートルズがやって来るヤァ!ヤァ!ヤァ!』では、1964年3月31日に撮影されたテレビショーのシーンで使用されました。このシーンではリップシンクで演奏されており、実際の音源はスタジオ録音版が使用されています。

イギリスでは、シングル「恋におちたら」のB面としてリリースされましたが、これは輸出用であり、ビートルズの公式シングルとしてはカウントされていません。日本を含むいくつかの国では、他のシングル曲のB面としてリカットされ、世界中で愛される楽曲となりました。

参加メンバーとカバーバージョン

この楽曲には、ビートルズのメンバー全員が参加しています。

ジョン・レノン：リードボーカル、リズムギター
ポール・マッカートニー：ハーモニーボーカル、ベース
ジョージ・ハリスン：ハーモニーボーカル、リードギター
リンゴ・スター：ドラム
* ジョージ・マーティン：ピアノ

その魅力的なメロディーと構成から、「テル・ミー・ホワイ」は多くのアーティストにカバーされています。ザ・ビーチ・ボーイズ、エイプリル・ワイン、安部恭弘、ザ・パンクルズなど、様々なアーティストがそれぞれの解釈でこの曲を演奏し、新たな魅力を引き出しています。

まとめ

「テル・ミー・ホワイ」は、ビートルズの初期作品の中でも、そのシンプルながらも洗練された音楽性、そして世界各国でのリリースとカバーの歴史から、彼らの多大な影響力と楽曲の普遍的な魅力を垣間見ることができる、重要な一曲と言えるでしょう。映画との関連性も含め、ビートルズの歴史を語る上で欠かせない存在であり続けています。

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