テレマークスキー

テレマークスキーの概要

テレマークスキーは19世紀後半にノルウェーのテレマルク地方で発展したスキーのスタイルであり、アルペンスキー、クロスカントリースキー、スキージャンプの原型とも言えます。このスタイルの特徴は、スキー板にブーツのつま先のみを固定し踵を浮かせて滑る点であり、歩行や登山などの多様な動きに対応できるのが魅力です。

歴史的背景

テレマークスキーは一時期、アルペンスキーやクロスカントリースキーに押されて存在感が薄れる時期もありました。しかし1970年代に再評価され、アメリカでのクロスカントリースキーの流行に伴い、再び注目を浴びるようになりました。この復活は、冬季オリンピックにおいてもピックアップされ、テレマークスキーはノルディックスキーの一部と見なされています。

テレマークスキーのスタイル

テレマークの最大の特徴は、そのターン技術です。アルペンスキーと異なり、テレマークスキーでは身体の自由度を保ちながらターンを行います。ターン時は安定を得るために足を前後に開き、加重をする際には内側の足を後ろに引き、踵を上げて母趾球で加重します。この独特なターンスタイルは絵になる美しさもあり、見る人を魅了します。また、このスタイルは山岳スキーにおいて特に人気があり、急斜面以外の多くのコースで使用されています。

テレマークスキー用具

テレマークスキー用具は、他のスキーと異なる設計や機能を持っています。

ブーツ

テレマークブーツは、踵が浮く構造が特徴です。1993年には画期的なプラスチック製ブーツが登場し、その後も多様なモデルが誕生しました。特にプラスチックブーツは高い剛性を持ち、滑降において優れた性能を発揮します。

スキー板

テレマーク用の板は以前は細長いものが主流でしたが、現在ではより高い剛性を追求した短く幅広いカービング板が増えています。これにより、スピーディーな滑りが可能になりました。

ビンディング

ビンディングは、スキー板とブーツを繋ぐ重要な部分で、3ピン式やケーブル式などあり、シンプルながらも特異な構造を持っています。最近では安全性を考慮したモデルも登場していますが、山岳スキーでのトラブルを避けるために、シンプルで軽量なものが好まれる傾向にあります。

その他の用具

登行時にはクライミングスキンを使用し、地形に応じたストックが特有の機能を持っています。このようにテレマークスキー用具は他のスキー用具とは大きく異なり、専門店での取り扱いが一般的です。

最近の傾向

テレマークスキーの用具は進化を続け、次世代規格であるNTNやTTSの登場により、多機能で使いやすくなっています。その一方で、昔ながらの革靴を使いたいという声もあり、原点回帰の動きも見られます。競技においても日本ではテレマークスキー協会が公認するレースが開催されており、特別な技術が求められています。最近では、アルペンスキーとの兼用モデルが増えてきており、テレマークスキーの魅力が広まっています。

このようにテレマークスキーはその独自のスタイルと用具で多くのスキーヤーを魅了し続けています。

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