テレメッセくまもと

テレメッセくまもと

NHK熊本放送局が長年にわたり制作し、地域に密着した情報を提供してきた看板番組の一つです。1989年4月にその歴史をスタートさせ、以来、平日昼前の定時放送として多くの県民に親しまれましたが、2021年3月末をもって惜しまれつつ最終回を迎えました。

番組の歩み

本番組のルーツは、1989年に放送が始まった『暮らしのガイド』に遡ります。翌1990年には『テレメッセひのくに』とタイトルを改め、さらに1997年からは『ひのくにワイド』として親しまれました。その後、2007年に番組名が現在の『テレメッセくまもと』となり、この名称で終焉を迎えるまで放送が続けられました。このように、時代と共にタイトルを変えながらも、一貫して熊本の地域情報に光を当て続ける役割を担ってきました。

番組内容と構成

『テレメッセくまもと』は、平日の午前11時45分から正午までの15分間というコンパクトな放送時間の中で、熊本県内の最新ニュースや季節の話題、地域で行われるイベント情報など、多岐にわたる情報を伝えていました。また、暮らしに役立つ健康の知識や生活の知恵、さらには毎日の食卓に彩りを添える料理レシピなど、視聴者の実生活に密着した内容も充実していました。

番組の構成は以下の流れでした。
11時45分: オープニング。福岡発の広域番組『はっけんTV』からスムーズに接続し、放送が開始されます。
11時46分頃: その日の主なテーマや、視聴者へのお知らせが紹介されます。
11時54分頃: 東京から全国の気象情報が伝えられます（全国同時ネット）。
11時57分頃: 熊本放送局から、熊本県全域の詳細な気象予報が独自に放送されます。
11時59分頃: エンディング。
12時00分: 番組終了後、すぐに正午の全国ニュースへと接続されます。

出演者

番組の進行は、NHK熊本放送局に所属する契約キャスターが担当していました。最終回時点では、猪﨑那紗キャスターと村上史キャスターが出演していました。番組の歴史の中で携わったキャスターは多く、過去には高村麻衣、中村陽子（2004年度から2008年度）、藤田早織（2010年4月から2013年3月）、吉里香奈子、守屋夏子、谷崎すずな（2013年4月から2016年3月）、辻田桃子、野方美郷といった面々が番組を支えました。

特徴的なコーナー

番組内では、視聴者の関心を引く様々なコーナーが設けられていました。代表的なものとしては、地元の食材を活用したレシピを紹介する「おいしかたいむ」という料理コーナーがありました。また、毎月第3木曜日には、地域文化である肥後狂句を取り上げる「あれこれ小箱」が放送されました。視聴者が自ら撮影・投稿した映像を通して県内各地の話題を届ける「地域発信！ビデオレター」は、地域との繋がりを深める企画として人気を博しました。このほか、「ぎゅっとくまもと」、「田崎市場便り」、「童謡これくしょん」といったコーナーがあり、これらのうち一部の企画は、平日夕方に放送されている地域番組『クマロク!』でも、形を変えて放送されたり、内容が引き継がれたりしました。

長きにわたり熊本の朝の顔として、県民の暮らしに寄り添う情報を提供し続けた『テレメッセくまもと』は、その役割を終えましたが、多くの視聴者の記憶に残る番組となりました。

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