テン・イヤーズ・アフター

テン・イヤーズ・アフター：ブルースロックの巨人たちの軌跡

1960年代後半から70年代にかけて活躍したイギリスのブルースロックバンド、テン・イヤーズ・アフター。その名は、バンドが10年以上活動を続けるという願いを込めて付けられました。しかし、実際には1974年に一度解散を経験するものの、その後再結成を果たし、現在も活動を続けています。

ハードブルースの旗手

彼らはブルースを基盤としながらも、ジャズやリズム＆ブルースの要素を巧みに取り入れ、独自のハードロックサウンドを確立しました。特に、ギタリストであるアルヴィン・リーのテクニックは他に類を見ないものでした。彼の高速で正確な「マシンガン・ピッキング」は、当時のロックシーンに衝撃を与え、後の多くのギタリストに影響を与えました。

ウッドストックから世界へ

1966年に結成されたテン・イヤーズ・アフターは、1967年のデビューアルバムから高い評価を受けました。そして、1969年のウッドストック・フェスティバルでの演奏は、彼らを世界的な人気バンドへと押し上げました。特に「I'm Going Home」は、彼らの代表曲として現在も高い人気を誇っています。

日本公演も複数回行い、1972年にはプロコル・ハルムとのジョイントコンサート、1973年にはアルバート・ハモンドとの共演を果たしました。日本のファンにも深い印象を残しました。1973年の再来日公演では、レオ・ライオンズの激しいベース演奏によってベース弦が切れるという伝説的なエピソードも残っています。

解散と再結成、そして新たな時代へ

1974年に一度解散したテン・イヤーズ・アフターですが、その後はメンバーチェンジを繰り返しながらも、断続的に再結成を果たし、活動を続けてきました。アルヴィン・リーがソロ活動に専念したり、レオ・ライオンズがUFOの音楽プロデューサーを務めたりと、メンバーそれぞれが音楽界で活躍する中、再結成の際には多くのファンを沸かせました。

1988年頃から本格的に再始動。1989年には15年ぶりのアルバム『About Time』を発表し、その後も精力的に活動を続けました。2003年にはアルヴィン・リーの脱退があり、彼の後任としてジョー・グーチが加入。更には2004年には自主レーベル「Ten Years After Records」を設立するなど、音楽活動の幅を広げました。

しかし、2013年にアルヴィン・リーの急逝という悲劇に見舞われ、その後もメンバーチェンジを繰り返しながらも活動を続けています。2017年には9年ぶりとなるアルバム『A Sting in the Tale』を発表し、彼らの音楽への情熱は衰えていません。

常に進化を続けるバンド

テン・イヤーズ・アフターは、ブルースロックという枠にとらわれず、常に新しい音楽に挑戦し続けてきました。時代とともに変化していく音楽シーンの中で、彼らがどのようなサウンドを聴かせてくれるのか、今後の活動にも期待がかかります。

メンバー

長年にわたり、多くのミュージシャンがテン・イヤーズ・アフターに参加しました。特に、アルヴィン・リー、レオ・ライオンズ、リック・リーらはバンドの中核を担い、その音楽性に大きく貢献しました。現在も、新たなメンバーと共に活動を続けるテン・イヤーズ・アフターは、これからも音楽史に名を刻み続けるでしょう。

現メンバー

マーカス・ボンファンティ (ボーカル、ギター)
チック・チャーチル (キーボード)
コリン・ホッジキンソン (ベース)
リック・リー (ドラムス)

旧メンバー

アルヴィン・リー (ボーカル、ギター、ブルースハープ)
レオ・ライオンズ (ベース)
* ジョー・グーチ (ボーカル、ギター)

ディスコグラフィ

テン・イヤーズ・アフターは、数多くのアルバムを発表し、その音楽性は高く評価されています。デビューアルバム『Ten Years After』から最新のアルバムまで、彼らの音楽遍歴は多岐に渡り、それぞれの作品に彼らの音楽的成長と探求の跡を見ることができます。彼らのディスコグラフィーは、彼らの歴史と進化を物語っています。

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