ディスタービング・ザ・ピース

『ディスタービング・ザ・ピース』（Disturbing the Peace）は、グラハム・ボネット率いるヘヴィメタル・バンド、アルカトラスが1985年に発表したセカンド・スタジオ・アルバムです。本作は、バンドがキャピトル・レコードへ移籍後、最初にリリースした作品となりました。

前作からギタリストが交代。テクニカルなプレイで知られたイングヴェイ・マルムスティーンに代わり、元フランク・ザッパ・バンドのスティーヴ・ヴァイが加入しました。このメンバーチェンジは、アルカトラスのサウンドに大きな変化をもたらします。グラハム・ボネット自身は、このアルバムをアルカトラス時代の作品の中で最も気に入っている一つとして挙げており、「以前のようなレインボー風サウンドから脱却し、スティーヴ・ヴァイの素晴らしいギターワークによって、非常に独創的で優れた楽曲群が生まれた」と語っています。ヴァイの革新的なギタープレイが、アルバム全体の個性を際立たせています。

アルバム発表前の1984年10月に行われた日本公演では、本作収録曲の一部が既に披露されていました。「ゴッド・ブレスト・ヴィデオ」や「ブレイキング・ザ・ハート・オブ・ザ・シティ」といった楽曲が先行演奏され、特に10月10日の新宿厚生年金会館公演の模様は、映像作品『Disturbing the Peace Tour - Live in Japan 1984.10.10』として記録されています。

後年、本作収録曲は様々な形で注目を集めました。オープニングを飾る「ゴッド・ブレスト・ヴィデオ」は、2002年発売のゲーム『グランド・セフト・オート・バイスシティ』のサウンドトラックに使用され、広く知られることとなります。また、ギタリストのスティーヴ・ヴァイが2001年に限定リリースしたボックスセット『The Secret Jewel Box』にも、本作が単独ディスクとしてフル収録されています。

収録曲

インストゥメンタルを含む全11曲。特記なき楽曲はグラハム・ボネットとスティーヴ・ヴァイの共作です。

1. ゴッド・ブレスト・ヴィデオ - "God Blessed Video" – 3:29
2. マーシー - "Mercy" (Graham Bonnet, Steve Vai, Jimmy Waldo, Gary Shea, Jan Uvena) – 4:22
3. ウィル・ユー・ビー・ホーム・トゥナイト - "Will You Be Home Tonight" (G. Bonnet, S. Vai, J. Waldo) – 5:01
4. ワイアー・アンド・ウッド - "Wire and Wood" – 3:26
5. デザート・ダイアモンド - "Desert Diamond" – 4:18
6. ストリッパー - "Stripper" – 3:52
7. ペインテッド・ラヴァー - "Painted Lover" – 3:22
8. ライター・シェイド・オブ・グリーン - "Lighter Shade of Green" (S.Vai) – 0:46 （インストゥメンタル）
9. サンズ・アンド・ラヴァーズ - "Sons and Lovers" – 3:35
10. スカイファイア - "Skyfire" – 3:53
11. ブレイキング・ザ・ハート・オブ・ザ・シティ - "Breaking the Heart of the City" – 4:58

参加ミュージシャン

グラハム・ボネット - ボーカル
スティーヴ・ヴァイ - ギター、バッキング・ボーカル
ジミー・ウォルドー - キーボード、バッキング・ボーカル
ゲイリー・シェア - ベース
ヤン・ウヴェナ - ドラムス、パーカッション、バッキング・ボーカル

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