ディスプレイ広告

ディスプレイ広告とは

ディスプレイ広告は、インターネット上のウェブサイト、アプリ、ソーシャルメディアなどに表示されるグラフィック広告のことです。テキスト、画像、動画、音声などを組み合わせたバナー形式で配信され、視覚的に訴求力の高い広告展開が可能です。主な目的は、ウェブサイト訪問者へのブランドメッセージの伝達と、ブランド認知度の向上です。

ディスプレイ広告の概要

ディスプレイ広告は、企業が自社の宣伝メッセージを、ニュースサイトやソーシャルネットワークなどの第三者のウェブページに表示させるオンライン広告の一種です。ウェブサイトへのアクセスを増やし、ページビュー数を向上させる効果が期待できます。

主な目的はブランド認知度の向上であり、消費者の購買意欲を高めるのにも役立ちます。例えば、2014年にはASOSとナイキがGoogleハングアウトと連携し、Google+で初のショッピングビデオウェブチャットを開発しました。この動画は、ナイキのエアマックスシューズ27周年を記念したディスプレイ広告として配信されました。

動画広告は、ユーザーのブランド認知度を高め、ハングアウトを視聴してディスプレイ広告から商品を購入してもらうことを目指しています。このディスプレイ広告は、ASOSのウェブサイトへのアクセス数とアプリのダウンロード数を28%増加させ、ユーザーは平均して月に8回ウェブサイトにアクセスするようになりました。

ディスプレイ広告の運用

ディスプレイ広告の運用では、広告報酬の支払い方法がいくつか存在します。ウェブページに広告が表示される「インプレッション」、表示された広告がクリックされる「クリックスルー」、そして広告を通じて商品購入や登録などの特定のアクションが実行される「成果」に応じて報酬が支払われます。

これらの報酬は、それぞれ表示報酬型（インプレッション型報酬）、クリック報酬型（クリックスルー型報酬）、成功報酬型（売上型成功報酬）と呼ばれます。当初はインプレッションに応じた報酬が主流でしたが、クッキーなどの技術発達に伴い、様々なKPIが設定されるようになりました。

ディスプレイ広告フォーマットの重要性

アムステルダムコミュニケーション研究科（ASCoR）の学生による調査では、ディスプレイ広告のフォーマットが消費者の反応に影響を与えることが示されました。スポンサードコンテンツとバナー広告という2つの異なるフォーマットに対する視聴者の反応を調査した結果、フォーマットによって消費者が肯定的または否定的に捉えることが明らかになりました。ディスプレイ広告の効果を最大限に引き出すには、適切なフォーマットの選択が非常に重要です。

ディスプレイ広告の主なフォーマットは以下の通りです。

動画広告: 動画形式で広告を配信します。
リッチメディア広告: バナー広告が画面全体に拡大したり、アニメーションが使用されたりする広告です。マウスオーバー時やページを開いた際に自動的に開始されるものがあります。
オーバーレイ広告: ウェブページのコンテンツの上に表示される広告で、閉じるボタンで削除できます。
インタースティシャル広告: ウェブページを閲覧する際に、ページ遷移時に表示される広告です。
スポンサーシップ広告: ブランドロゴの表示や、ウェブサイトのデザインにブランドデザインを組み込む形式の広告です。ネイティブ広告のように見えるものもあります。

IABによるディスプレイ広告のガイドライン

Interactive Advertising Bureau（IAB）は、広告の種類に合ったフォーマットを選択するためのガイドラインとして、ディスプレイ標準広告ユニットポートフォリオを公開しています。

以下に、2007年のガイドラインの一部を示します。

レクタングルとポップアップ
ミディアムレクタングル: 300 x 250
スクエアポップアップ: 250 x 250
バーティカルレクタングル: 240 x 400
ラージレクタングル: 336 x 280
レクタングル: 180 x 150
3:1 レクタングル: 300 x 100
ポップアンダー: 720 x 300
バナーとボタン
フルバナー: 468 x 60
ハーフバナー: 234 x 60
マイクロバー: 88 x 31
ボタン1: 120 x 90
ボタン2: 120 x 60
バーティカルバナー: 120 x 240
スクエアボタン: 125 x 125
リーダーボード: 728 x 90
スカイスクレイパー
ワイドスカイスクレイパー: 160 x 600
スカイスクレイパー: 120 x 600
ハーフページ: 300 x 600

※単位はすべて[ピクセル]。太字のサイズはユニバーサル・アド・パッケージ（UAB）のサイズです。

これらのガイドラインは、消費者の反応やデバイスの変化などを考慮して定期的に見直されています。2015年にはHTML5に対応したガイドラインが発表され、2017年にはレスポンシブ広告やAR/VRなどの新しいデジタルコンテンツエクスペリエンスに対応したガイドラインが発表されました。

まとめ

ディスプレイ広告は、インターネット広告において重要な役割を担っており、その効果を最大化するためには、適切なフォーマット選択と最新のガイドラインの理解が不可欠です。広告主は、ターゲットオーディエンスに最適な広告フォーマットを選択し、効果的な広告展開を行う必要があります。

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