ディック (ファイナンス)

DIC（ディック）について

DICは、アメリカのシティグループの子会社であった消費者金融会社CFJ合同会社が展開していたブランドの一つです。このブランドは、かつて日本国内で広く利用されていましたが、2008年11月28日をもって全ての新規受付を停止しました。

歴史

企業の成り立ち

DICの元となる企業、ディックファイナンス株式会社は1974年に設立され、1975年にはダイエーグループに加わりました。株式会社は大阪を本社に置いており、主に関西地域を中心に店舗網を展開していました。ダイエーから融資を受けていましたが、経営不振により会社が引き取られました。ダイエーグループの再建に伴い、1998年に企業の株式はフォード・モーターの金融子会社であるアソシエーツ・ファースト・キャピタル（AFCC）に売却されました。2000年にAFCCはシティグループに売却され、シティ傘下の企業となりました。2002年には、電話担保金融業者のマルフクから店舗や債権を譲受しました。

2003年1月には、シティグループの消費者金融事業3社が統合され、ディックファイナンス株式会社が存続会社となり、新たにCFJ株式会社が設立されました。CFJの名称は、「シティファイナンシャル」の「C」と「F」および「Japan」の「J」を組み合わせたものです。この時期においても、事業のブランド名として「ディック」が採用されました。

ブランド統一と認知度向上

2006年にはブランドの統一を図るため、テレビやラジオCMで「アイク」から「ディック」への変更が行われました。地域ごとに異なるCMが流れていたが、全国的にブランドの統一が進められました。情報技術の発展に伴い、インターネットや携帯電話を活用したサービス提供にも乗り出し、バイラルCM「ワクワクウォッチング」などを展開し新たな顧客の獲得を目指しました。

経営環境の変化

しかし、消費者金融事業の環境は厳しさを増し、2007年には最盛期の500店舗を超える有人店舗を270店舗に縮小しました。さらに、2008年には全ての業務をオンラインおよび電話に移行することを決定し、店舗を完全に閉鎖しました。シティグループの経営状況悪化や、サブプライム関連での巨額損失が影を落とし、その影響で2008年11月には新規受付をすべて停止せざるを得なくなりました。

事業撤退と現在の状況

新たな顧客は、業務提携を結んでいた三洋信販へ誘導され、2009年にはディックとユニマットレディスの統合が行われ、プロミスへの紹介も行われましたが、その後これも変更され、現在ではアイフルを紹介する形となっています。

サービス内容

DICではインターネットや携帯電話を利用した専用サービスを提供しており、照会や振込予約、利用限度額の増額申請が各種可能でした。特に新規申込の仮審査は60秒以内に結果が通知され、大変便利でした。また、「ケイタイプ」という携帯電話を利用したサービスも提供されましたが、こちらは2008年には終了しました。

その他の情報

DICには無担保ローンをはじめとした多数のキャッシングプランが用意されていました。ファミリーマートのFamiポートを利用して24時間申込みも受け付けていましたが、提携先数は減少傾向にあり、最終的には多くのATMでの利用も2021年までに停止されています。DICはその時点で、消費者金融市場の中で重要な位置を占めていたが、現在はそのブランドは過去のものとなっています。

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