ディック・バヴェッタ

ディック・バヴェッタの生涯と業績

ディック・バヴェッタ（Dick Bavetta）は、1939年12月10日生まれのアメリカ合衆国ニューヨーク州ブルックリン出身のバスケットボール審判員です。彼の背番号は27番で、1975年からNBAのレフェリーとして活躍しました。特筆すべきは、39年にわたって1試合も欠かさずに審判を務めた成果として、彼が審判を担当した試合数はNBA史上最多の記録であることです。2013年4月12日、ワシントンでの試合で連続2600試合を達成し、「レフェリーの鉄人」と称されました。

若き日のバヴェッタ

バヴェッタはブルックリンでカトリック系の家庭に生まれ育ちました。父は警察官、母は主婦という家庭環境の中、教育を受けた彼は、パワーメモリアルアカデミーという高校で過ごしました。彼は1962年に聖フランシス大学を卒業し、在学中にはバスケットボールチームでプレーしていました。その後、ABAでレフェリーとして活動していた兄の影響を受け、自身も審判としてのキャリアをスタートしました。

当初はウォール街でのブローカーとして働きながら、ローカルのリーグやハイスクールで審判を務めました。その後、追求と経験を重ね、東部のプロリーグで九年間の審判活動を経て、NBAのレフェリーへの道を万全のものにしていきました。

NBAでのキャリア

NBAレフェリーとしての道は険しいものでした。1960年代半ばにトライアウトを受けたものの、長い間合格できずにいました。ようやく1975年、メンディ・ランドルフの引退とともにNBAに採用され、1975年12月2日にニューヨーク・ニックス対ボストン・セルティックス戦で審判デビューを果たしました。しかし、最初の10年間は厳しい状況でした。

彼は技術向上に努め、オフシーズンを利用して他のリ―グでの経験を積むことで、NBAでのポジションを確立していきます。1983年にはフィジカル面のトレーニングを導入し、健康維持のために毎日5〜8マイル走り続けるなどの努力を惜しみませんでした。これらの努力が実を結び、1980年代にはチーフレフェリーに指名され、1990年代からはプレーオフゲームの審判を常に務めるようになりました。

記録と影響

2006年2月8日、彼はNBA史上最多となる2135試合目を裁く記録を達成しました。さらに、彼は2006年の試合での乱闘によって追放処分を下せる能力を示し、リーグ内でも彼の意見は非常に重視されました。バヴェッタはそのキャリアを通じて、健康を保つための秘訣やトレーニング方法を広め、同時にレフェリー職の重要性を強調しました。その信念を胸に長きにわたる審判生活に敬意を評され、2015年度にはバスケットボール殿堂にも名を刻むことになりました。

引退と遺産

バヴェッタは2014年8月19日に公式に引退しました。彼の業績は、プロスポーツにおける審判の重要性とその専門性を示す良い例と言えるでしょう。数多くの試合を裁き続け、リーグの顔として存在し続けた彼の足跡は、今でも多くの人々に影響を与えています。

もう一度検索