ディパーチャー (ジャーニーのアルバム)

アルバム『ディパーチャー』の概要

『ディパーチャー』は、アメリカのロックバンド、ジャーニーにとって1980年に発表された6作目のスタジオアルバムです。このアルバムは、前作までの音楽スタイルからの変化を示す重要な作品となっており、バンドにとって大きな転機となりました。

背景

ジャーニーは、前2作を手掛けたロイ・トーマス・ベイカーの音作りに不満を抱いていたため、新たにケヴィン・エルソンを共同プロデューサーとして迎え入れました。エルソンは、このアルバムの制作が終わった後も『フロンティアーズ』（1983年）など次のアルバムにおいてもジャーニーとのコラボレーションを続け、2005年にリリースされた再結成後の『ジェネレーションズ』でもその影響が見られます。

『ディパーチャー』は、ジャム重視の実験的なアプローチからアリーナ・ロックへと音楽的方向性を大きくシフトさせた作品であり、スティーヴ・ペリーは「音楽的な変化があったため、アルバムタイトルをこうした。ルーツを残しつつ新しいスタイルへ脱却した（Departure）」と述べています。アルバム制作では、最初に19曲の新曲が用意されましたが、最終的に選ばれた楽曲は絞られました。

収録曲

『ディパーチャー』に収録された楽曲には、スティーヴ・ペリーとニール・ショーンの共作が featured されており、「いつの日か…」ではペリーとグレッグ・ローリーが、「感じてほしい…」ではペリーとショーンがリードボーカルを分担しています。シングルヒットとしては、「お気に召すまま」「ウォーク・ライク・ア・レディ」「グッドモーニング・ガール/僕のそばに…」がリリースされ、それぞれ全米での成功を収めました。

反響と評価

アルバムはアメリカのBillboard 200で自身初のトップ10入りを果たし、最高8位を記録しました。また、1980年7月にはRIAAからプラチナディスクに認定され、1994年10月にはトリプルプラチナの評価を得るに至りました。

音楽批評家からも高評価を得ており、オールミュージックのジョン・フランクは5点満点中3.5点を付け、「過去の作品に基づきながら、新たなエッジが加わった」と評しています。また、ジョン・スウェンソンは『ローリング・ストーン』誌で、ジャーニーの音楽が過去の問題を克服した作品であるとし、「今のジャーニーはバンドとして最良の形で機能しており、これほどハードなロックサウンドはかつてなかった」と具体的に絶賛しています。

参加ミュージシャン

このアルバムには、スティーヴ・ペリーがボーカルを担当する一方で、ニール・ショーンがギターやボーカルを務めています。加えて、グレッグ・ローリーがキーボードとハーモニカを担当し、ロス・ヴァロリーがベースを弾き、スティーヴ・スミスがドラムスを叩くなど、バンドのメンバーがそれぞれの役割を果たしました。

『ディパーチャー』は、ジャーニーのスタイルが進化した証であり、アリーナ・ロックの先駆けとなったアルバムの一つとして位置付けられているのです。

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