デイヴィッド・ゲフィン・ホール

デイヴィッド・ゲフィン・ホール

デイヴィッド・ゲフィン・ホールは、ニューヨーク市マンハッタン区のアッパー・ウエスト・サイドに位置するリンカーン・センター内にあるコンサートホールです。このホールは、ニューヨーク・フィルハーモニックの本拠地として知られています。

概要

このホールの座席数は2,738席を誇ります。1962年、マックス・アブロモヴィッツの設計により「フィルハーモニック・ホール」としてオープンし、ニューヨーク・フィルハーモニックは長年本拠地としていたカーネギー・ホールからこのホールへ拠点を移しました。

その後、1973年には、オーケストラに巨額の寄付を行ったエイヴリー・フィッシャー氏の名を冠し、「エイヴリー・フィッシャー・ホール」と改称されました。さらに2015年には、ホールの改修に多額の資金を提供した篤志家デイヴィッド・ゲフィン氏の名前が冠され、現在の「デイヴィッド・ゲフィン・ホール」という名称になりました。

音響

開場当初から、このホールは音響面で多くの課題を抱えていました。音響設計は、Blot, Beranek and Newman（BBN)が担当しましたが、当初の設計目標であった2,400席規模のシューボックス型ホールから、カーネギーホールと同等の2,700席規模のホールに変更されたため、音響に悪影響が出たとされています。

1976年10月には最初の音響改修を終えて再オープンしましたが、金管楽器の音が響きすぎる一方で、低音が弱いという評価を受けました。また、演奏者からはお互いの音が聞こえにくいという声も上がり、1992年には再度音響改修が行われることとなりました。

1992年の改修では、ステージ上に19枚のグラスファイバー製の反響板（音響反射板、リフレクター）が設置されたほか、ステージ両脇にも反響板が設置されました。しかし、抜本的な改善には至らなかったため、2005年にはノーマン・フォスターの設計に基づき、再度音響改修が行われることになりました。

幾度もの改修を経て、現在ではより良い音響環境が実現されているとされていますが、その歴史は音響問題との闘いの歴史でもありました。

関連項目

カーネギー・ホール

脚注

注釈・出典

参考文献
Melone, Deborah; Eric W. Wood (2005). Sound Ideas: Acoustical Consulting at BBN and Acentech. Cambridge, MA: Acentech Incorporated. LCCN 2006920681
"Annals of Architecture: A Better Sound" by Bruce Bliven. New Yorker magazine, November 8, 1976.

外部リンク

リンカーン・センターの公式サイト
エイヴリー・フィッシャー・ホールのイベントガイド
* エイヴリー・フィッシャー・ホール

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