ディーセン・アム・アンマーゼー

ディーセン・アム・アンマーゼーは、ドイツ連邦共和国南部に位置するバイエルン州、オーバーバイエルン行政管区に属する市場町です。絵のように美しいアンマー湖の南西岸に広がり、ランツベルク・アム・レヒ郡の一自治体を形成しています。バイエルン州の中心都市ミュンヘンからは南西へおよそ40キロメートルの距離にあり、アルプス前山地方の豊かな自然に抱かれた地域です。

地理と自治体構成

町の中心地区であるディーセン自体は、アンマー湖畔から内陸に向かって、歴史的なアウグスティノ会修道院の跡地にかけて広がっています。その西側はザンクト・ゲオルゲンという集落と接しています。さらに数キロメートルほど内陸の丘陵地には、かつては独立した自治体だったデッテンシュヴァング、デッテンホーフェン、オーバーミュールハウゼンといった集落が編入されています。一方、アンマー湖の沿岸部には、かつてのリーデン村の一部であったリーデラウ、ビーアドルフ、ザンクト・アルバンなどの集落や小さな集落が点在しています。

行政上の区分としては、ディーセン・アム・アンマーゼーは公式に25の地区（Ort）から構成されています。主要な集落としては、ビーアドルフ、デッテンホーフェン、デッテンシュヴァング、中心地のディーセン・アム・アンマーゼー、ラーヒェン、オーバーミュールハウゼン、ピッツェスホーフェン、リーデラウ、ヴェンゲンなどが挙げられます。

歴史

この地の歴史は古く、おそらく9世紀にはザンクト・ゲオルゲンの地にアウグスティノ会修道院が設立されたと推定されています。この修道院は12世紀にアンデクス伯によって再興され、1140年には現在のディーセン地区へ移転しました。町自体は1231年には「civitas」（都市）として記録されていますが、その自治権はすぐに修道院の支配下に入りました。市場の開催が許されたのは、さらに後の1326年のことでした。修道院の中心であったマリア聖堂は、1732年から1739年にかけて、バロック様式の建築家ヨハン・ミヒャエル・フィッシャーによって新たに建造されました。しかし、1803年の世俗化により修道院は廃止され、その建物の一部は解体される運命をたどりました。残った建物は第一次世界大戦後に憐れみの女子修道会が取得し、現在に至ります。

バイエルン王国における行政改革の一環として1818年に制定された市町村令により、現代の自治体としての行政組織が整えられました。19世紀の終わり頃には、ディーセンは特に芸術家にとって魅力的な滞在・活動の地となり、工芸運動の一つの中心地として発展します。1934年には、当地の芸術活動を推進するための団体「Arbeitsgemeinschaft Diessener Kunst」（ADK）が設立されています。

行政と姉妹都市

現在の町長はザンドラ・ペルツル氏（所属：Dießener Bürger e.V.）で、2020年3月の選挙で選出されました。町議会は24人の議員で構成されています。

国際交流としては、以下の2つの都市と姉妹都市関係を結んでいます。

ウィンダーミア（イギリス、カンブリア州）
Lomnice nad Lužnicí（チェコ、南ボヘミア州）

文化と見所

ディーセンの最もよく知られた見所は、アンマー湖からもよく見える高台に建つマリア聖堂です。この聖堂は、1732年から1739年にかけてヨハン・ミヒャエル・フィッシャーによって建てられた壮麗なバロック建築で、1803年までアウグスティノ会修道参事会の中心地として機能していました。また、著名な作曲家カール・オルフに関する資料を展示するカール・オルフ博物館も、当地の重要な文化施設です。

定期行事

ディーセンは年間を通じて様々な催しで賑わいます。特に有名なのは、毎年キリスト被昇天祭から次の日曜日にかけて湖岸のプロムナードで開催される陶器市です。夏のマリア被昇天祭にはディーセン芸術工芸市が開かれます。5月末には泉の祭が開催されるのが通例です。8月の第2日曜日には、バイエルン州でも特に人気が高く大規模なノミの市である「ゼーフェスト（湖祭）の大規模ノミの市」が湖岸で開催されます。9月の第3日曜日には「市の日曜」として、湖へ続く絵のように美しいミュール通りでイベントが行われます。その他、アドヴェント期間の第1週にマリア聖堂前で開催される静かな雰囲気のクリスマス市や、「ブリティッシュ週間」といった行事もあります。1998年からは隔年で9月中旬に、姉妹都市ウィンダーミアとの文化・グルメ交流祭が開催されています。

スポーツとアクティビティ

アンマー湖畔という立地を活かした水辺のスポーツやレクリエーションが盛んです。町には3ヶ所の水浴場があり、夏は多くの人で賑わいます。また、ドイツ国内でも有数の歴史と規模を持つ内陸湖のヨット学校があり、ヨットの貸し出しも行われています。湖にはペダル式ボートも利用可能です。湖岸には大規模なサッカー施設やミニゴルフ場も整備されています。さらに、アンマー湖を一周する全長約45キロメートルの自転車道や遊歩道は、サイクリングやウォーキングに最適です。

ゆかりの人物

ディーセンは古くから多くの芸術家や文化人に愛された地です。特に、マリア聖堂の彫刻作品を手がけた彫刻家のヨハン・ミヒャエル・フォイヒトマイヤー（1709-1772）、アイルランドの自由主義運動家ロジャー・ケースメント（1864-1916）、当地ザンクト・ゲオルゲンに晩年を過ごした作曲家カール・オルフ（1895-1982）、子供時代を過ごした俳優のイェルク・フーベ（1943-2009）などがこの地とゆかりがあります。また、オペラ歌手のユリアーネ・バンゼ（1969-）も家族と共に在住しています。これらの人物以外にも、カール・シュピッツヴェク、ヴィルヘルム・ライベル、フリッツ・ヴィンター、ヘルマン・ニッチュ、エドガー・ライツといった数多くの芸術家がディーセンで創作活動を行い、または生活を営んでいました。

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