ディートリック・エンス

ディートリック・エンス：異色の経歴を持つ本格派左腕

ディートリック・アーサー・エンス（Dietrich Arthur Enns）は、1991年5月16日生まれ、アメリカ合衆国イリノイ州出身のプロ野球選手（投手）です。MLB、NPB（埼玉西武ライオンズ）、KBO（LGツインズ）を経て、現在はデトロイト・タイガースとマイナー契約を結び、再びMLBの舞台を目指しています。

プロ入りからメジャーデビューまで

2012年のMLBドラフトでニューヨーク・ヤンキースから19巡目指名を受けプロ入り。ヤンキース傘下のマイナーリーグで着実に実績を積み重ねます。2016年にはAA級とAAA級で合計26試合に登板し、14勝4敗、防御率1.73、124奪三振という好成績を収め、40人枠入りを果たしました。

2017年7月、ハイメ・ガルシアとのトレードでミネソタ・ツインズへ移籍。同年8月にはメジャー初昇格を果たし、ミルウォーキー・ブルワーズ戦でメジャーデビューを飾りました。

苦難の時期とレイズでの再起

2018年はメジャーでの登板機会を得られず、ツインズを退団。その後、サンディエゴ・パドレス、シアトル・マリナーズとマイナー契約を結びますが、メジャー昇格は叶いませんでした。独立リーグでのプレーを経て、2020年8月にタンパベイ・レイズとマイナー契約を結びます。

2021年、傘下のAAA級ダーラム・ブルズで好成績を残し、8月にレイズとメジャー契約。4年ぶりにメジャーの舞台に復帰し、9試合に登板して2勝0敗2セーブ、防御率2.82という成績を残しました。

埼玉西武ライオンズでの挑戦

2021年オフ、NPBでのプレーを希望し、埼玉西武ライオンズと契約。背番号は75。来日1年目の2022年は、開幕からローテーションの一角を担い、23試合に登板（22先発）し、10勝7敗、防御率2.94という成績を挙げました。外国人左腕としては69年ぶりとなる2桁勝利を達成するなど、チームに大きく貢献しました。

しかし、QS率40.9%と安定感に課題を残し、2023年は12試合の登板で1勝10敗、防御率5.17と成績を大きく落とし、同年オフに自由契約となりました。

韓国球界でのプレーと再びMLBへ

2024年からは韓国のLGツインズでプレーし、13勝6敗の成績を収めましたが、防御率は4.19と安定感を欠き、1年で退団。2024年12月にはデトロイト・タイガースとマイナー契約を結び、再びMLBの舞台を目指すことになりました。

投球スタイル

平均94.2mph（約151.6km/h）、最速97mph（約156.1km/h）のフォーシームとカッターを軸に、カーブやチェンジアップも織り交ぜる本格派左腕です。力強いストレートで三振を奪うスタイルが持ち味です。

詳細情報

年度別投手成績: (2023年度シーズン終了時)
年度別守備成績: (2023年度シーズン終了時)
NPB初記録:
初登板・初先発登板・初勝利・初先発勝利：2022年4月10日、対福岡ソフトバンクホークス3回戦
初奪三振：同上、2回表に正木智也から空振り三振
初打席：2022年6月5日、対東京ヤクルトスワローズ3回戦
初安打：2023年6月14日、対読売ジャイアンツ2回戦
KBO初記録:
初登板・初先発登板・初勝利・初先発勝利:2024年3月23日、対ハンファ・イーグルス戦
背番号: 47 (2017年), 75 (2021年 - 2023年), 34 (2024年)

関連項目

メジャーリーグベースボールの選手一覧 E
北米・欧州出身の日本プロ野球外国人選手一覧
埼玉西武ライオンズの選手一覧

外部リンク

MLB, ESPN, Baseball-Reference, Fangraphs, The Baseball Cube, Baseball-Reference (Register)
Dietrich Enns stats MiLB.com
個人年度別成績 D.エンス - NPB.jp 日本野球機構
Dietrich Enns (@DietrichEnns) - X（旧Twitter）
Dietrich Enns (@dietrichenns) - Instagram

まとめ

ディートリック・エンスは、MLB、NPB、KBOと多様なリーグでプレーし、様々な経験を積んできた投手です。埼玉西武ライオンズではチームに貢献する一方で、課題も見えました。再びMLBの舞台での活躍を目指し、今後の彼の挑戦に注目が集まります。

もう一度検索