ディーヴォ

ディーヴォ（Devo）は、1973年にオハイオ州アクロンでマーク・マザーズボウとジェラルド・キャセールを中心に結成されたアメリカのロックバンドです。

概要

ディーヴォは、1970年代後半に登場したニュー・ウェイヴ・バンドの中でも特に影響力が強いバンドとして知られています。彼らの音楽は、既存の音楽形式にとらわれない実験的なものであり、クラフトワークと共にテクノ・ポップの成立を語る上で欠かせない存在です。POLYSICSなどのフォロワーを生み出し、PEVOのように彼らを模倣するバンドも現れました。また、ニルヴァーナやレイジ・アゲインスト・ザ・マシーンといった著名なバンドも彼らの楽曲をカバーしています。

バンド名は「De-Evolution（退化）」の略であり、「人間は進化した生き物ではなく、退化した生き物だ」という彼らの思想が込められています。この思想は、彼らの音楽やパフォーマンス、そして独特なキャラクターにも反映されています。

初期のディーヴォは、洗濯機などの機械音を取り入れた前衛的な音楽を追求していました。その音楽性は当初、観客から不評を買うこともありましたが、1977年にミュージック・ビデオ『The Truth About De-Evolution』がアナーバー映画祭で入賞したことをきっかけに評価が一変しました。

活動の変遷

1980年代には、『欲望心理学』からシングルカットされた「ホイップ・イット」がヒットし、商業的な成功を収めます。その後も、『オー・ノー!イッツ・ディーヴォ』ではロイ・トーマス・ベイカーをプロデューサーに迎え、『シャウト』ではサンプリング・シンセやシモンズ・ドラムを導入するなど、サウンドの深化を試みました。しかし、1990年代に入るとバンド活動への疑問が生じ、所属していたレコード会社の倒産も重なり、活動を一時停止します。

2003年にはサマーソニックで23年ぶりに来日し、2006年にはディーヴォの楽曲を子供たちが歌う'Devo 2.0'をサポートするなど、散発的に活動を再開します。2010年には20年ぶりとなるアルバム『サムシング・フォー・エヴリバディ』を発表し、再び注目を集めました。

メンバーと特徴的なキャラクター

ディーヴォのメンバーは、マーク・マザーズボウ（ボーカル、ギター、シンセサイザー）、ボブ・マザーズボウ（ギター、ボーカル）、ジェラルド・キャセール（ベース、ボーカル）、ジョシュ・フリーズ（ドラムス）、ジョシュ・ハーガー（ギター、キーボード）です。かつてはボブ・キャセールとアラン・マイヤースもメンバーとして在籍していました。

ディーヴォには、退化理論を表現する様々なキャラクターが登場します。代表的なキャラクターとして、幼児に退化した成人男性「ブージー・ボーイ」、退化理論をレクチャーする「ジェネラル・ボーイ」、SFドラマに登場する未来人をモチーフにした「ビューティフル・ミュータント」などがいます。また、ライブやミュージックビデオでは、エナジー・ドームと呼ばれる特徴的な帽子を着用しています。

音楽以外の活動

マーク・マザーズボウは、1980年代後半から映画やテレビドラマのサウンドトラック作曲家としても活躍しています。

ディーヴォは、音楽性だけでなく、その独特な世界観とパフォーマンスで、多くのファンを魅了し続けています。

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