デイジー 〜3.11 女子高生たちの選択〜

デイジー 〜3.11 女子高生たちの選択〜

『デイジー 〜3.11 女子高生たちの選択〜』は、ももち麗子による日本の漫画作品です。『デザート』（講談社）にて2012年12月号から2013年8月号まで連載され、単行本は全2巻で刊行されました。

概要

本作は、福島第一原子力発電所事故後の福島県で生活する女子高生たちを主人公に据えた物語です。小説『ピエロ〜夜明け前〜』を原案としていますが、作者独自の取材に基づいた要素も多く盛り込まれています。作者自身も、父親が福島県桑折町の出身であることが、本作を描くきっかけの一つになったと語っています。

あらすじ

2011年3月11日、東日本大震災とそれに伴う福島第一原発事故が発生。故郷に残れば放射能の恐怖にさらされ、福島を離れれば裏切り者というレッテルを貼られるかもしれない。そんな状況下で、根拠のない風評被害に苦しみ、友情に亀裂が生じることもありました。

物語は、福島で暮らす4人の女子高生を中心に、事故後の1年間を彼女たちがどのように過ごし、何を考え、どのような進路を選択していくのかを描きます。

登場人物

久保 芙美（くぼ ふみ）
福島県立若葉高校3年生。学年トップの成績を誇り、東京のT大への進学を目指しています。両親と弟との4人暮らし。原発事故後、父親から山形の祖母の家への避難を勧められますが、父親と離れることに不安を感じ、福島に残ることを決意。放射能への恐怖から引きこもり生活を送りますが、受験のためにバンド活動を再開します。

まゆ
芙美のクラスメイトであり親友。実家は米農家。おしゃれに興味があり、卒業後は109で働くことを夢見ています。感情の起伏が激しい性格。米の予備検査で放射性セシウムが検出されなかったにもかかわらず、顧客から心無い言葉を浴びせられる父親を支えたいと考え、家業を継ぐことを決意します。

あやか
芙美の親友。BL好きで、デジタル、軍事、昭和など、様々な分野のオタク。震災後からボランティア活動に積極的に参加しています。実家は旅館を経営していますが、経営状況は厳しく、損害賠償訴訟をめぐる両親の対立に悩んでいます。

萌（もえ）
芙美の親友。父親は地元の県議会議員。趣味はピアノと生け花。高校入学後、自分らしくないことをしたいと考え、バンドでドラムを担当します。東京へ転校しますが、その後福島に戻ります。交際相手から結婚は考えられないと言われたことがきっかけで、自殺を図ります。その後、両親と共に北海道へ移住。

なつ子（なつこ）
芙美たちの担任教師。「なっちゃん先生」と呼ばれ、生徒たちから慕われています。東京の男性と婚約し、彼は福島へ移住して復興支援のNPO法人で働くことを決意します。

玉木（たまき）
芙美の予備校の同級生。実家は建設会社を経営しており、自身も瓦礫撤去作業に従事しています。

藤田 淳（ふじた あつし）
萌の元交際相手。父親は原発推進派のコメンテーターとして、テレビで福島の安全性を主張しています。

銀次（ぎんじ）
まゆの彼氏。家業を継ぐことを反対するまゆの父親を諭します。

書誌情報

ももち麗子 『デイジー 〜3.11 女子高生たちの選択〜』 講談社〈KCデザート〉 全2巻
2013年3月13日発売、ISBN 978-4-06-365727-2
2013年8月12日発売、ISBN 978-4-06-365742-5

外部リンク

公式ウェブサイト - ウェイバックマシン（2013年10月6日アーカイブ分）

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