デイビッド・レミュー (ボクサー)

デイビッド・レミュー：激闘を繰り広げたカナダの強打者

デイビッド・レミュー（David Lemieux、1988年12月22日生まれ）は、カナダ・モントリオール出身の元プロボクサーです。左フックを最大の武器とし、そのアグレッシブなファイトスタイルで多くのファンを魅了しました。元IBF世界ミドル級王者。

アマチュアからプロへ

レミューは9歳でボクシングを始め、アマチュア時代にはカナダ王者にも3度輝きましたが、国際的な実績はそれほど多くはありませんでした。しかし、2007年にプロへ転向すると、その才能は開花しました。

プロキャリア初期：地元での活躍

2007年4月、レミューはプロデビュー戦を2回TKO勝利で飾り、華々しいスタートを切りました。2008年にはケベック州スーパーウェルター級王座を獲得。さらに、WBCインターコンチネンタルミドル級ユース王座、カナダスーパーミドル級王座と、立て続けにタイトルを奪取し、地元カナダでその名を轟かせました。

2010年には、WBCインターナショナルミドル級王座も獲得し、その勢いは止まるところを知りませんでした。

初の敗北と王座陥落

2011年4月、マルコ・アントニオ・ルビオとのミドル級戦で、レミューはキャリア初の黒星を喫します。序盤こそ優勢に試合を進めたものの、スタミナ切れから7回TKO負け。同年12月には、ジョアシャン・アルシーヌに判定負けを喫し、3度目の防衛に失敗、王座から陥落しました。この敗戦は、レミューにとって大きな転機となりました。

再起とIBF世界王座獲得

失意の中、レミューは再起を誓います。2014年、NABF北米ミドル級王座を獲得すると、その勢いを駆って2015年6月には、IBF世界ミドル級王座決定戦でハッサン・ヌダム・ヌジカムに判定勝ち。遂に世界王者の座に就きました。

ゴロフキン戦とその後

IBF世界王座を獲得したレミューでしたが、2015年10月、WBAスーパー王者・WBC暫定・IBO世界ミドル級王者ゲンナジー・ゴロフキンとの統一戦に挑み、8回TKO負け。王座防衛に失敗しました。この試合は、レミューのキャリアにおいて、大きな転換点となりました。

その後、再起を目指しNABO北米ミドル級王座を獲得しますが、2016年には、ビリー・ジョー・ソーンダースとのWBO世界ミドル級王座戦で判定負けを喫しました。2017年にはWBCアメリカ大陸ミドル級王座とWBOインターコンチネンタルミドル級王座を獲得するなど、再びタイトル戦線に復帰しました。

晩年と引退

その後、減量苦や怪我に悩まされ、試合が中止になるなど苦しい時期を過ごします。2022年5月には、デビッド・ベナビデスとのWBC世界スーパーミドル級暫定王座決定戦でTKO負けを喫し、同年8月、現役引退を発表しました。

レミューは、そのアグレッシブなスタイルと強打で、多くのファンを魅了しました。IBF世界ミドル級王座を獲得するなど輝かしい実績を残しましたが、晩年は減量苦や怪我に悩まされ、苦しい時期も経験しました。しかし、その激闘ぶりは、多くのボクシングファンの記憶に刻まれることでしょう。

獲得タイトル

ケベック州スーパーウェルター級王座
WBCインターコンチネンタルミドル級ユース王座
カナダスーパーミドル級王座
WBCインターナショナルミドル級王座
NABF北米ミドル級王座
IBF世界ミドル級王座
NABO北米ミドル級王座
WBCアメリカ大陸ミドル級王座
* WBOインターコンチネンタルミドル級王座

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