デビッド・ベナビデス

デビッド・ベナビデス：メキシカン・モンスターの軌跡

デビッド・ベナビデス（David Benavidez、1996年12月17日 - ）は、アメリカ合衆国アリゾナ州フェニックス出身のプロボクサーです。元WBC世界スーパーミドル級王者であり、現在はWBAレギュラー・WBC暫定世界ライトヘビー級統一王者として活躍しています。その攻撃的なスタイルとKO率の高さから「メキシカン・モンスター」という異名で知られ、ボクシングファンを魅了しています。兄のホセ・ベナビデスも元WBA世界スーパーライト級暫定王者というボクシング一家に育ちました。

プロデビューと初期のキャリア

2013年8月、16歳という若さでプロデビューを果たし、初回KO勝利で華々しいスタートを切りました。その後も連戦連勝を重ね、2015年4月にはNABF北米ライトヘビー級ジュニア王座を獲得。その才能は早くから注目を集めました。

スーパーミドル級での快進撃

2017年9月、WBC世界スーパーミドル級王座決定戦でロナルド・ガブリルと対戦。2-1の判定で勝利し、スーパーミドル級史上最年少となる20歳で世界王座を奪取しました。2018年2月にはガブリルとのダイレクトリマッチにも勝利し、初防衛に成功。その強さを証明しました。しかし、同年、ドーピング検査で陽性反応が出てしまい、王座を剥奪されるという苦い経験もしました。

2019年9月、アンソニー・ディレルとの王座決定戦で9回KO勝ちを収め、再びWBC世界スーパーミドル級王座を獲得。圧倒的な強さを見せつけました。しかし、2020年8月には体重超過により再び王座を失うというアクシデントに見舞われました。

2021年3月には、ロナルド・エリスとの挑戦者決定戦に勝利し、サウル・アルバレスへの挑戦権を獲得しました。しかし、その後、新型コロナウイルス感染や対戦相手のドーピング違反など、様々なトラブルに見舞われ、試合が延期されることもありました。

2022年5月、デイビッド・レミューとのWBC世界スーパーミドル級暫定王座決定戦に3回TKO勝ち。暫定王座を獲得し、再び頂点を目指すことになりました。2023年3月にはカレブ・プラント、同年11月にはデメトリアス・アンドラーデを破り、暫定王座を2度防衛しました。

サウル・アルバレスとの対戦を巡る因縁

長年、ファンや関係者から熱望されてきたサウル・アルバレスとの対戦は、アルバレスがPBCを離脱したことで、実現がさらに困難になりました。ベナビデスは「カネロが避けている」と批判し、ファイトマネーなしでも戦うとまで発言。マイク・タイソンも「カネロには勇気が欠けている」と非難しました。アルバレスは、「1億5000万ドルから2億ドルのオファーがあれば戦う」と発言しましたが、ベナビデスは「何ももたらさない相手になぜそんな金額を要求するのか」と反論しました。ベナビデスの陣営は、アルバレスの懸念する計量後の体重増加に関しても、水分補給条項を受け入れる用意があることを示しました。しかし、両者の対戦は依然として実現していません。

ライトヘビー級への挑戦

2024年6月、ライトヘビー級に階級を上げ、オレクサンドル・グウォジクとのWBC世界ライトヘビー級暫定王座決定戦に勝利。暫定ながら2階級制覇を達成し、WBA世界ライトヘビー級レギュラー王座も獲得しました。この勝利で、ベナビデスはスーパーミドル級とライトヘビー級の2階級で暫定王者となりました。

戦績と人物像

アマチュアボクシングでは15戦全勝、プロボクシングでは30戦全勝（24KO）と、驚異的な戦績を誇ります。その圧倒的な強さとアグレッシブなファイトスタイルで、多くのファンを魅了しています。ニックネームである「メキシカン・モンスター」は、マイク・タイソンによって名付けられました。

獲得タイトル

NABF北米ライトヘビー級ジュニア王座
WBC世界スーパーミドル級王座（2度獲得）
WBC世界スーパーミドル級暫定王座
WBC世界ライトヘビー級暫定王座
* WBA世界ライトヘビー級レギュラー王座


デビッド・ベナビデスは、その類まれなる才能と強さで、ボクシング界の新たなスターとして、今後の活躍が期待されています。

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