デイフォブス (小惑星)

デイフォブス（1867 Deiphobus）は、木星の後方を公転するトロヤ群に位置する小惑星です。1867年に、アルゼンチンのエル・レオンシット国立公園にある観測施設にて、カルロス・チェスコとA・G・サムエルによって発見されました。

この小惑星は、(4709) Ennomosを代表とするEnnomos族という小惑星族に属しています。Ennomos族は、木星のトロヤ群の中でも特定の軌道特性を持つ小惑星のグループです。

デイフォブスの名前は、トロイア戦争に登場するプリアモスの息子で、勇猛な武将として知られるデーイポボス（Diphobos）に由来しています。ギリシャ神話に登場する英雄の名前が、宇宙に浮かぶ小惑星の名前として採用されているのは、天文学の世界でよく見られる慣習です。

特筆すべき出来事として、2007年5月には、日本においてデイフォブスによる恒星HIP 53416の掩蔽が観測されました。トロヤ群の小惑星による掩蔽は非常に珍しいため、この観測は大きな注目を集めました。この貴重な機会を捉え、天文教育の一環として岐阜県の高校生を中心とする観測チームが編成され、日本各地で観測が行われました。この観測によって、デイフォブスの詳細な断面形状を把握することに成功しました。このように、小惑星の掩蔽観測は、その形状や大きさを知るための重要な手段となっています。

関連事項

小惑星の一覧 (1001-2000)

外部リンク

2007.5.13 小惑星デイフォブスによる掩蔽の観測成果

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