デイヴィッド・マクミラン

デイヴィッド・ウィリアム・クロス・マクミラン

デイヴィッド・ウィリアム・クロス・マクミラン（1968年3月16日生まれ）は、アメリカ合衆国に拠点を置く有機化学者であり、現在はプリンストン大学の教授として研究を行っています。マクミラン博士は、不斉有機触媒における先駆的な業績と、可視光レドックス触媒を用いた有機合成の研究で広く知られており、特に「マクミラン触媒」の開発はその代表的な成果と言えるでしょう。彼は2021年にベンジャミン・リストと共にノーベル化学賞を受賞しました。

経歴

マクミランはスコットランドのノース・ラナークシャーで生まれました。学術的なキャリアをスタートさせたのは、1998年にハーバード大学で博士研究員としてデヴィッド・エヴァンスの指導の下での研究です。この研究では、スズ-ビスオキサゾリン触媒を用いた不斉アルドール反応の開発が行われました。

その後、彼はカリフォルニア大学バークレイ校に移り、独立した研究者としての道を切り開きました。2000年にはカリフォルニア工科大学に移籍し、さらに2006年にはプレンストン大学に着任。彼の研究が認められ、2012年には王立協会のフェローに選出されました。

研究内容

マクミランの研究は、2000年のカリフォルニア工科大学時代に始まります。彼はイミダゾリジノン骨格を持つ不斉触媒「マクミラン触媒」を設計・開発し、この触媒を用いた様々な不斉合成のプロセスを発展させました。この触媒は、天然物の全合成にも役立てられ、工業的にも重要な有機分子触媒として広く利用されています。

2007年には、SOMO-activationを基にした新たな合成方法を提案します。また、2008年には、酸化剤の代わりに可視光レドックス触媒を使用した不斉カップリング反応を報告し、この手法もまた多くの研究者に影響を与えました。

主な受賞歴

マクミランはこれまで数多くの賞を受賞しており、その中には以下のものがあります：

• - 2004年 コーディー・モーガン賞
• - 2007年 向山賞、アーサー・C・コープ スカラー賞
• - 2017年 野依賞
• - 2018年 名古屋ゴールドメダル
• - 2019年 センテナリー賞
• - 2021年 ノーベル化学賞
• - 2022年 キラリティーメダル
• - 2024年 F・A・コットン・メダル

このように、デイヴィッド・マクミランは彼の研究と業績を通じて有機化学の発展に大きく寄与しており、その影響は今後も続くことでしょう。

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