デイヴ・マシューズ・バンド
デイヴ・マシューズ・バンド（Dave Matthews Band, DMB）は、1991年にアメリカ・バージニア州シャーロッツヴィルで結成されたロックバンドです。ボーカルとギターのデイヴ・マシューズを中心に、ベースのステファン・ルサード、ドラムとバックボーカルのカーター・ボーフォード、ヴァイオリンとバックボーカルのボイド・ティンズレー、サックスのリロイ・ムーアがオリジナルメンバーです。
1994年にアルバム『Under the Table and Dreaming』でメジャーデビューし、600万枚を売り上げました。1996年には「So Much to Say」でグラミー賞のベスト・ロック・ボーカル・パフォーマンスを受賞。2018年の『Come Tomorrow』はビルボード200で初登場1位を獲得し、7作連続でスタジオアルバムが初登場1位を獲得した最初のバンドとなりました。2018年時点で、コンサートチケットは2000万枚以上、CDやDVDなどの売り上げは3800万枚を超えています。
彼らは「ジャムバンド」として知られ、ライブパフォーマンスに定評があります。デビュー当初から、コンサートごとにセットリストを変えるスタイルを採用しているのが特徴です。
結成 (1991年～1993年)
1991年、シャーロッツヴィルのバーでバーテンダーをしていたデイヴ・マシューズは、弁護士のロス・ホフマンと出会います。ホフマンはマシューズにデモテープを作成し、地元のドラマー、カーター・ボーフォードに声をかけるように勧めました。ボーフォードはマシューズのデモを気に入り、参加を承諾。その後、マシューズは地元のジャズシーンで活躍していたリロイ・ムーアにも声をかけました。
マシューズは当時を振り返り、「ドラムが必要だったからカーターに声をかけたのではなく、彼の演奏が聴いたことのない最高のものだったからだ。リロイもバーで酔っぱらっていても心を揺さぶる演奏をしていた。心から演奏するミュージシャンたちだった。3人で集まった時に、自分の曲に反応するように演奏してほしいとお願いした。」と語っています。
しかし、3人だけでは思い通りの音楽にならず、バンドメンバーを追加することに。バージニア大学のオーケストラ指揮者で、地元のミュージシャンでもあったジョン・デアーズの推薦でステファン・ルサードが加入。さらに、バーのウェイターだったピーター・グリーザーがキーボードとして参加し、ボイド・ティンズレーもヴァイオリンとして参加しました（ティンズレーは他の契約のため、正式加入は1992年）。
バンドは当初、バンド名を「Dumwelah」（ツワナ語で「こんにちは」）にしようとしていましたが、ムーアがライブをブッキングする際、電話で会場に「デイヴ・マシューズ」と伝えたところ、会場の担当者が「デイヴ・マシューズ・バンド」として出演することになりました。その後、この名前が定着してしまいました。マシューズは自身の名前が前に出ていることを不公平に感じ、バンド名を変更しようとしましたが、間に合いませんでした。
1993年11月9日、初の公式EP『Remember Two Things』をBama Ragsレーベルからリリース。2002年には、RIAAからプラチナアルバムに認定されました。
スターダムへ (1994年～1999年)
1994年、初のライブEP『Recently』をリリース。同年9月20日には、デビューアルバム『Under the Table and Dreaming』を発表しました。ブルース・トラベラーのジョン・ポッパーがハーモニカで参加した「What Would You Say」は初のヒット曲となりました。このアルバムは、マシューズの姉、アンへの追悼アルバムです。アンは、夫の自殺の際に巻き添えで亡くなっています。1995年、グラミー賞でベスト・ロック・パフォーマンスと「What Would You Say」でベスト・ロック・ビデオにノミネートされました。
続くアルバム『Crash』は、1996年のグラミー賞でベスト・ロック・アルバムにノミネートされ、「So Much to Say」がベスト・ロック・パフォーマンスを受賞しました。
1997年には、初のフルライブアルバム『Live at Red Rocks 8.15.95.』をリリース。このライブアルバムには、エレクトリックギターでティム・レイノルズが参加しています。
1997年後半、バンドはスティーブ・リリーホワイトをプロデューサーに迎え、ティム・レイノルズ、ベラ・フレック、アラニス・モリセットなど、多くのゲストミュージシャンを迎え、3枚目のアルバム『Before These Crowded Streets』を制作。1998年4月28日にリリースされたこのアルバムは、「Stay (Wasting Time)」、「Crush」、「Don't Drink the Water」など、既存のアルバムとは一線を画す充実した内容で、発売後1週間で90万枚を売り上げました(2018年時点で、全世界で2100万枚のセールスを記録しています)。
1999年には、ウッドストック99に出演。秋には、3枚目のライブアルバムであり、初のライブDVDでもある『Listener Supported』をリリースしました。1999年のグラミー賞では、『Before These Crowded Streets』がベスト・ロック・アルバム、『Crush』がベスト・ポップ・コラボレーション・ウィズ・ボーカルにノミネートされています。
2000年代前半
2000年、バンドはシャーロッツヴィル郊外に録音スタジオを準備し、前作のプロデューサーであるリリーホワイトと共に、4枚目のアルバムの制作を開始しました。このアルバムの楽曲は、個人間の衝突、特にマシューズの叔父のアルコールによる死に影響を受けたとされています。
2000年10月、マシューズはアラニス・モリセットとの共作で有名なグレン・バラードと作曲を開始。その後、ロサンゼルスでバンドが合流し、バラードのプロデュースで『Everyday』のレコーディングが行われました。2001年2月27日にリリースされたこのアルバムは、「I Did It」、「Everyday」、「The Space Between」がビルボードチャートにランクインするなど、商業的に成功しました。バラードの制作は、短い曲でポップ色が強く、リリーホワイトのアコースティックで長いジャムのあるものとは大きく異なりました。
2001年3月、前年のリリーホワイトとのスタジオセッションが、Napsterなどで流出しました。この「リリーホワイト・セッションズ」はファンやプレスから絶賛されました。その後、リリーホワイトとのレコーディングは公式にもリリースされています。2002年には新作『Busted Stuff』をレコーディングするため、バンドはスタジオに戻り、リリーホワイトの下でエンジニアを務めていたステファン・ハリスのプロデュースにより、新曲とリリーホワイト・セッションズが再録音され、2002年7月16日にリリースされました。
2004年～2007年
2004年6月29日、2002年のゴージ公演が『The Gorge』としてリリースされました。2004年秋、バンドはシャーロッツヴィルで、ファンキーなサウンドへの変化を求め、新しいプロデューサーのマーク・バトソンと共にスタジオ入りしました。このアルバムは、2005年5月10日に6枚目のアルバム『Stand Up』としてリリースされ、ビルボードチャートで初登場1位を記録しました。このアルバムからは、長年のファンであるジュリア・ロバーツをフィーチャーした「Dreamgirl」のミュージックビデオも発表されました。
2005年3月、初のオーストラリア公演を行いました。夏には54回のアルバムサポートツアーを行い、このツアーからトランペット奏者のラシュワン・ロスが加入しました。秋には13公演のツアーを実施。2006年3月には、前回同様マーク・バトソンとニューアルバムの制作に取り掛かりました。その後、2006年サマーツアー（レイバーデーのゴージ公演では、会場最多の64,468人を動員）を挟み、2007年初めにバンドは再度スタジオ入りし、7枚目のレコーディングを再開しました（その後、アルバムの制作は遅れることになります）。
2007年8月1日、37公演の恒例サマーツアーを、Toots and the Maytals、The Roots、Robert Randolph and the Family Bandをサポートに迎えて実施。9月6日には、8月にバージニア州で起こった銃乱射事件のベネフィットフリーコンサートを『A Concert for Virginia Tech』として開催。ジョン・メイヤーなどが参加し、5万人以上を動員しました。その2日後には、アトランタのピエドモントパークで、オールマン・ブラザーズ・バンドをオープニングに迎えてベネフィットコンサートを行いました。65,000人を動員し、アトランタで最大規模のコンサートとなりました。この模様は、『Live at Piedmont Park』としてリリースされました。
2008年、リロイ・ムーアの死
2008年3月6日、7枚目のアルバム『Big Whiskey and the GrooGrux King』が、新しいプロデューサー、ロブ・カヴァロと共に制作されていることが発表されました。
同年5月27日、ツアー開始3日前に、2001年からツアーに参加していたキーボードのブッチ・テイラーの脱退が発表されました。
同年5月28日、バージニア州ブリストウのニッサン・パビリオンでのショーの2日後、サックス奏者のリロイ・ムーアが、所有する農場で四輪バギーの事故により大怪我を負いました。
同年7月1日、マシューズはムーアの事故を発表し、ベラ・フレック・アンド・フレックトーンズのサックス奏者であるジェフ・カフィンが、残りのツアー日程の代役を務めることを発表しました。回復が見込まれていたムーアでしたが、合併症により8月9日に急逝しました。バンドは2公演をキャンセルしただけで、残りの日程を行いました。
Big Whiskey and the GrooGrux King（2009年）
7枚目のアルバム『Big Whiskey and the GrooGrux King』は、2009年6月2日にリリースされました。このアルバムタイトルは、亡くなったムーアを追悼して付けられました。アルバムはビルボード200で1位を記録し、「Funny The Way It Is」、「Why I Am」、「You and Me」の3枚のシングルがリリースされました。2010年のグラミー賞でベスト・ロック・アルバムにノミネートされましたが、グリーン・デイとテイラー・スイフトに敗れました。しかし、グラミー賞の授賞式では「You and Me」を演奏しました。
2010年代
2010年3月、バンドは結成20年で初めて休暇をとり、2011年にはツアーを行わないことを発表しました。2011年に入り、バンド結成20周年を祝うため、フェスティバル形式で6月から4回のイベント「DMBキャラバン」が開催されることが発表されました。DMBキャラバンは、デヴィッド・グレイ、レイ・ラモンテーン、ザ・フレイミング・リップスなどと共に、6月24-26日にアトランティックシティ、7月8-10日にシカゴ、8月26-28日にニューヨーク、9月2-4日にゴージで開催されました。この模様は、ライブアルバム『Live at Atlantic City』として12月16日にリリースされました。
2012年2月14日、サマーツアー（43公演）が発表され、その翌日には旧知のスティーブ・リリーホワイトをプロデューサーに迎え、ニューアルバムが制作中であることが公表されました。その後、2012年9月11日に、8枚目のアルバム『Away from the World』がリリースされました。2012年のウィンターツアー（15公演）、2013年のサマーツアー（45公演）を経て、2013年11月には、マシューズの出身地である南アフリカで初のツアーを行いました。その後、南米ツアー、2014年4月には2回目のオーストラリアツアーを開催しています。
2014年、サマーツアー（42公演）を行い、11月には2015年に開催する初のメキシコ公演を発表しました。2015年1月13日、2015年サマーツアーで2セットで演奏することを発表。5月13日のオースティンから9月13日のフェニックスまでのツアーでした。その後、10月8日のアブダビから始まるヨーロッパツアー（ポルトガル、スペイン、スイス、イタリア、ドイツ（4公演）、デンマーク、オランダ、ベルギー、フランス、イギリス（3公演）、アイルランド）を行いました。このツアーで、ポーランドでの初の公演も行われました。2016年は結成25周年の記念ツアー（アメリカとカナダで45公演）を実施しました。
2018年1月16日、9枚目のスタジオアルバムをサポートするサマーツアーが発表されました。アルバム『Come Tomorrow』は6月8日にリリースされ、ビルボード200チャートで初登場1位を獲得し、発売1週間で29.2万枚を売り上げました（12月には118.5万枚の売り上げを記録）。
2018年2月、ティンズレーはツイッターでしばらく休みを取ることを告知しました。同年5月18日、ティンズレーが自己のバンド「クリスタル・ガーデン」のメンバーへの性的違法行為について訴えられていることが報道され、バンドは即日ティンズレーの解雇を発表しました。同日開始されたサマーツアーからは、キーボードのバディ・ストロングが正式メンバーとして加入しました。
2018年、47公演のサマーツアー、出身地シャーロッツヴィルのジョン・ポール・ジョーンズ・アリーナを含む12回の秋のアリーナツアーを行いました。
2019年、春には再度18公演のヨーロッパツアー、その後は恒例のアメリカでのサマーツアーを実施しました。
2024年4月21日、米国・ロックの殿堂より、『2024年度ロックの殿堂 パフォーマー部門』での殿堂入りが発表されました。
現メンバー
デイヴ・マシューズ（ボーカル・ギター）
カーター・ボーフォード（ドラムス）
ステファン・ルサード（ベース）
ティム・レイノルズ（ギター）
ラシュワン・ロス（トランペット）
ジェフ・カフィン（サックス）
バディ・ストロング（キーボード）
旧メンバー
リロイ・ムーア（サックス・フルート）（故人）
ピーター・グリーザー（キーボード）
ブッチ・テイラー（キーボード）
ボイド・ティンズレー（バイオリン）
スタジオ・アルバム
Under the Table and Dreaming (1994)
Crash (1996)
Before These Crowded Streets (1998)
Everyday (2001)
Busted Stuff (2002)
Stand Up (2005)
Big Whiskey & the GrooGrux King (2009)
Away from the World (2012)
Come Tomorrow (2018)
Walk Around the Moon (2023)
デイヴ・マシューズ・バンドのツアーバス事件
* デイヴ・マシューズ・バンド公式ウェブサイト （英語）
1994年にアルバム『Under the Table and Dreaming』でメジャーデビューし、600万枚を売り上げました。1996年には「So Much to Say」でグラミー賞のベスト・ロック・ボーカル・パフォーマンスを受賞。2018年の『Come Tomorrow』はビルボード200で初登場1位を獲得し、7作連続でスタジオアルバムが初登場1位を獲得した最初のバンドとなりました。2018年時点で、コンサートチケットは2000万枚以上、CDやDVDなどの売り上げは3800万枚を超えています。
彼らは「ジャムバンド」として知られ、ライブパフォーマンスに定評があります。デビュー当初から、コンサートごとにセットリストを変えるスタイルを採用しているのが特徴です。
来歴
結成 (1991年～1993年)
1991年、シャーロッツヴィルのバーでバーテンダーをしていたデイヴ・マシューズは、弁護士のロス・ホフマンと出会います。ホフマンはマシューズにデモテープを作成し、地元のドラマー、カーター・ボーフォードに声をかけるように勧めました。ボーフォードはマシューズのデモを気に入り、参加を承諾。その後、マシューズは地元のジャズシーンで活躍していたリロイ・ムーアにも声をかけました。
マシューズは当時を振り返り、「ドラムが必要だったからカーターに声をかけたのではなく、彼の演奏が聴いたことのない最高のものだったからだ。リロイもバーで酔っぱらっていても心を揺さぶる演奏をしていた。心から演奏するミュージシャンたちだった。3人で集まった時に、自分の曲に反応するように演奏してほしいとお願いした。」と語っています。
しかし、3人だけでは思い通りの音楽にならず、バンドメンバーを追加することに。バージニア大学のオーケストラ指揮者で、地元のミュージシャンでもあったジョン・デアーズの推薦でステファン・ルサードが加入。さらに、バーのウェイターだったピーター・グリーザーがキーボードとして参加し、ボイド・ティンズレーもヴァイオリンとして参加しました（ティンズレーは他の契約のため、正式加入は1992年）。
バンドは当初、バンド名を「Dumwelah」（ツワナ語で「こんにちは」）にしようとしていましたが、ムーアがライブをブッキングする際、電話で会場に「デイヴ・マシューズ」と伝えたところ、会場の担当者が「デイヴ・マシューズ・バンド」として出演することになりました。その後、この名前が定着してしまいました。マシューズは自身の名前が前に出ていることを不公平に感じ、バンド名を変更しようとしましたが、間に合いませんでした。
1993年11月9日、初の公式EP『Remember Two Things』をBama Ragsレーベルからリリース。2002年には、RIAAからプラチナアルバムに認定されました。
スターダムへ (1994年～1999年)
1994年、初のライブEP『Recently』をリリース。同年9月20日には、デビューアルバム『Under the Table and Dreaming』を発表しました。ブルース・トラベラーのジョン・ポッパーがハーモニカで参加した「What Would You Say」は初のヒット曲となりました。このアルバムは、マシューズの姉、アンへの追悼アルバムです。アンは、夫の自殺の際に巻き添えで亡くなっています。1995年、グラミー賞でベスト・ロック・パフォーマンスと「What Would You Say」でベスト・ロック・ビデオにノミネートされました。
続くアルバム『Crash』は、1996年のグラミー賞でベスト・ロック・アルバムにノミネートされ、「So Much to Say」がベスト・ロック・パフォーマンスを受賞しました。
1997年には、初のフルライブアルバム『Live at Red Rocks 8.15.95.』をリリース。このライブアルバムには、エレクトリックギターでティム・レイノルズが参加しています。
1997年後半、バンドはスティーブ・リリーホワイトをプロデューサーに迎え、ティム・レイノルズ、ベラ・フレック、アラニス・モリセットなど、多くのゲストミュージシャンを迎え、3枚目のアルバム『Before These Crowded Streets』を制作。1998年4月28日にリリースされたこのアルバムは、「Stay (Wasting Time)」、「Crush」、「Don't Drink the Water」など、既存のアルバムとは一線を画す充実した内容で、発売後1週間で90万枚を売り上げました(2018年時点で、全世界で2100万枚のセールスを記録しています)。
1999年には、ウッドストック99に出演。秋には、3枚目のライブアルバムであり、初のライブDVDでもある『Listener Supported』をリリースしました。1999年のグラミー賞では、『Before These Crowded Streets』がベスト・ロック・アルバム、『Crush』がベスト・ポップ・コラボレーション・ウィズ・ボーカルにノミネートされています。
2000年代前半
2000年、バンドはシャーロッツヴィル郊外に録音スタジオを準備し、前作のプロデューサーであるリリーホワイトと共に、4枚目のアルバムの制作を開始しました。このアルバムの楽曲は、個人間の衝突、特にマシューズの叔父のアルコールによる死に影響を受けたとされています。
2000年10月、マシューズはアラニス・モリセットとの共作で有名なグレン・バラードと作曲を開始。その後、ロサンゼルスでバンドが合流し、バラードのプロデュースで『Everyday』のレコーディングが行われました。2001年2月27日にリリースされたこのアルバムは、「I Did It」、「Everyday」、「The Space Between」がビルボードチャートにランクインするなど、商業的に成功しました。バラードの制作は、短い曲でポップ色が強く、リリーホワイトのアコースティックで長いジャムのあるものとは大きく異なりました。
2001年3月、前年のリリーホワイトとのスタジオセッションが、Napsterなどで流出しました。この「リリーホワイト・セッションズ」はファンやプレスから絶賛されました。その後、リリーホワイトとのレコーディングは公式にもリリースされています。2002年には新作『Busted Stuff』をレコーディングするため、バンドはスタジオに戻り、リリーホワイトの下でエンジニアを務めていたステファン・ハリスのプロデュースにより、新曲とリリーホワイト・セッションズが再録音され、2002年7月16日にリリースされました。
2004年～2007年
2004年6月29日、2002年のゴージ公演が『The Gorge』としてリリースされました。2004年秋、バンドはシャーロッツヴィルで、ファンキーなサウンドへの変化を求め、新しいプロデューサーのマーク・バトソンと共にスタジオ入りしました。このアルバムは、2005年5月10日に6枚目のアルバム『Stand Up』としてリリースされ、ビルボードチャートで初登場1位を記録しました。このアルバムからは、長年のファンであるジュリア・ロバーツをフィーチャーした「Dreamgirl」のミュージックビデオも発表されました。
2005年3月、初のオーストラリア公演を行いました。夏には54回のアルバムサポートツアーを行い、このツアーからトランペット奏者のラシュワン・ロスが加入しました。秋には13公演のツアーを実施。2006年3月には、前回同様マーク・バトソンとニューアルバムの制作に取り掛かりました。その後、2006年サマーツアー（レイバーデーのゴージ公演では、会場最多の64,468人を動員）を挟み、2007年初めにバンドは再度スタジオ入りし、7枚目のレコーディングを再開しました（その後、アルバムの制作は遅れることになります）。
2007年8月1日、37公演の恒例サマーツアーを、Toots and the Maytals、The Roots、Robert Randolph and the Family Bandをサポートに迎えて実施。9月6日には、8月にバージニア州で起こった銃乱射事件のベネフィットフリーコンサートを『A Concert for Virginia Tech』として開催。ジョン・メイヤーなどが参加し、5万人以上を動員しました。その2日後には、アトランタのピエドモントパークで、オールマン・ブラザーズ・バンドをオープニングに迎えてベネフィットコンサートを行いました。65,000人を動員し、アトランタで最大規模のコンサートとなりました。この模様は、『Live at Piedmont Park』としてリリースされました。
2008年、リロイ・ムーアの死
2008年3月6日、7枚目のアルバム『Big Whiskey and the GrooGrux King』が、新しいプロデューサー、ロブ・カヴァロと共に制作されていることが発表されました。
同年5月27日、ツアー開始3日前に、2001年からツアーに参加していたキーボードのブッチ・テイラーの脱退が発表されました。
同年5月28日、バージニア州ブリストウのニッサン・パビリオンでのショーの2日後、サックス奏者のリロイ・ムーアが、所有する農場で四輪バギーの事故により大怪我を負いました。
同年7月1日、マシューズはムーアの事故を発表し、ベラ・フレック・アンド・フレックトーンズのサックス奏者であるジェフ・カフィンが、残りのツアー日程の代役を務めることを発表しました。回復が見込まれていたムーアでしたが、合併症により8月9日に急逝しました。バンドは2公演をキャンセルしただけで、残りの日程を行いました。
Big Whiskey and the GrooGrux King（2009年）
7枚目のアルバム『Big Whiskey and the GrooGrux King』は、2009年6月2日にリリースされました。このアルバムタイトルは、亡くなったムーアを追悼して付けられました。アルバムはビルボード200で1位を記録し、「Funny The Way It Is」、「Why I Am」、「You and Me」の3枚のシングルがリリースされました。2010年のグラミー賞でベスト・ロック・アルバムにノミネートされましたが、グリーン・デイとテイラー・スイフトに敗れました。しかし、グラミー賞の授賞式では「You and Me」を演奏しました。
2010年代
2010年3月、バンドは結成20年で初めて休暇をとり、2011年にはツアーを行わないことを発表しました。2011年に入り、バンド結成20周年を祝うため、フェスティバル形式で6月から4回のイベント「DMBキャラバン」が開催されることが発表されました。DMBキャラバンは、デヴィッド・グレイ、レイ・ラモンテーン、ザ・フレイミング・リップスなどと共に、6月24-26日にアトランティックシティ、7月8-10日にシカゴ、8月26-28日にニューヨーク、9月2-4日にゴージで開催されました。この模様は、ライブアルバム『Live at Atlantic City』として12月16日にリリースされました。
2012年2月14日、サマーツアー（43公演）が発表され、その翌日には旧知のスティーブ・リリーホワイトをプロデューサーに迎え、ニューアルバムが制作中であることが公表されました。その後、2012年9月11日に、8枚目のアルバム『Away from the World』がリリースされました。2012年のウィンターツアー（15公演）、2013年のサマーツアー（45公演）を経て、2013年11月には、マシューズの出身地である南アフリカで初のツアーを行いました。その後、南米ツアー、2014年4月には2回目のオーストラリアツアーを開催しています。
2014年、サマーツアー（42公演）を行い、11月には2015年に開催する初のメキシコ公演を発表しました。2015年1月13日、2015年サマーツアーで2セットで演奏することを発表。5月13日のオースティンから9月13日のフェニックスまでのツアーでした。その後、10月8日のアブダビから始まるヨーロッパツアー（ポルトガル、スペイン、スイス、イタリア、ドイツ（4公演）、デンマーク、オランダ、ベルギー、フランス、イギリス（3公演）、アイルランド）を行いました。このツアーで、ポーランドでの初の公演も行われました。2016年は結成25周年の記念ツアー（アメリカとカナダで45公演）を実施しました。
2018年1月16日、9枚目のスタジオアルバムをサポートするサマーツアーが発表されました。アルバム『Come Tomorrow』は6月8日にリリースされ、ビルボード200チャートで初登場1位を獲得し、発売1週間で29.2万枚を売り上げました（12月には118.5万枚の売り上げを記録）。
2018年2月、ティンズレーはツイッターでしばらく休みを取ることを告知しました。同年5月18日、ティンズレーが自己のバンド「クリスタル・ガーデン」のメンバーへの性的違法行為について訴えられていることが報道され、バンドは即日ティンズレーの解雇を発表しました。同日開始されたサマーツアーからは、キーボードのバディ・ストロングが正式メンバーとして加入しました。
2018年、47公演のサマーツアー、出身地シャーロッツヴィルのジョン・ポール・ジョーンズ・アリーナを含む12回の秋のアリーナツアーを行いました。
2019年、春には再度18公演のヨーロッパツアー、その後は恒例のアメリカでのサマーツアーを実施しました。
2024年4月21日、米国・ロックの殿堂より、『2024年度ロックの殿堂 パフォーマー部門』での殿堂入りが発表されました。
メンバー構成
現メンバー
デイヴ・マシューズ（ボーカル・ギター）
カーター・ボーフォード（ドラムス）
ステファン・ルサード（ベース）
ティム・レイノルズ（ギター）
ラシュワン・ロス（トランペット）
ジェフ・カフィン（サックス）
バディ・ストロング（キーボード）
旧メンバー
リロイ・ムーア（サックス・フルート）（故人）
ピーター・グリーザー（キーボード）
ブッチ・テイラー（キーボード）
ボイド・ティンズレー（バイオリン）
ディスコグラフィ
スタジオ・アルバム
Under the Table and Dreaming (1994)
Crash (1996)
Before These Crowded Streets (1998)
Everyday (2001)
Busted Stuff (2002)
Stand Up (2005)
Big Whiskey & the GrooGrux King (2009)
Away from the World (2012)
Come Tomorrow (2018)
Walk Around the Moon (2023)
出典
関連項目
デイヴ・マシューズ・バンドのツアーバス事件
外部リンク
* デイヴ・マシューズ・バンド公式ウェブサイト （英語）
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